【教育雑感】新しい形のパワハラになってしまった…
「先生、いつも遅いですね。いつ帰っているんですか?」
と、今年、赴任してきた体育の先生に聞かれたので、
「毎朝早く来て、他の先生方の机を拭き、窓を開け、お湯を沸かし、ストーブを入れ、紙を補充して、それから授業をして、放課後も面談や部活、会議、授業準備をしているので、24時間働いていますね。
まあ、私はオジサンなので、先輩たちから
『新人なんだから先輩たちの机を磨くところから始めろ!』
と言われながら育ってきたんです。昔はイキっていて、朝練頑張ってるぞ!とか、土日も生徒と一緒に頑張ってるんだ!とか偉そうに振る舞っていたんですが、ある時、お世話になってた体育の先生に
『ところで朝の学校って誰が開けてるんですか?』
って聞いたら、
『馬鹿かお前!だからお前は生徒と同じレベルなんだよ。朝、誰が開けてるかも知らないで、自分は部活頑張って偉いと思っていただろ?一番に開けている先生に「いつも、ありがとうございます」って言ったことあるか?だからお前はダメなんだよ。生徒と同じレベルだ!』
とか言われたんです。それが心に刺さって…
それ以来、誰がどこでどう動いているか見るようになって、我が物顔で飲んでいたコーヒーもたまには買うようになって、そのとき初めてコーヒー豆ってひいてもらうって知ったり、コーヒー豆って意外といい値段するんだとか勉強になったり、あーこの人が実はプリンターの紙補充してたんだとかわかるようになったんです。
ちなみにうちの学校開けてるのは体育の〇〇さんです。あの人はけっして自分がやっているなんて言わないし、人にやれって言わないです。けど、感染症対策のために廊下の窓開けとかも全部やってます。あっちなみに私も担当学年の窓は毎朝開けてます。すごいでしょ?(笑)。
まあ、私はオジサンで、
『お前バカか!生徒と同じだな!』
なんて言ってくれる人たちの中で育ったからそういうことが染みついているんであって、今の人たちにはとてもじゃないけどそんなこと言えないですね。時代は変わったし、パワハラになっちゃいますからね~ははは~(笑)」
ってな話を職員室でノリノリで語った結果…次の日から体育の若い人たちが朝早くなって、いろいろやるようになってしまった…まじゴメン…そんなつもりはなかったんです。
きっとこれでさらに早く来る生活が始まって、みんな疲弊するんだよね…そして、そのうち当番制になって、当番サボったヤツの悪口言うようになるんだよね…
私が言いたかったのは、
「やれるときに気づいた人がやることと、誰が何をしているのかを知ることが大切ってことと、昔の先輩はズケズケいろんなこと言ってきた」
という話であって、若い人たちに説教したかったわけでも、先輩と同じことをさせたかったわけでもないんです。けど、結果として新しいタイプのパワハラになってしまったことは否めないかなと…まじゴメン…
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