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Rくんにもらったピンクの携帯電話【外国ルーツの子ども支援日記】

外国ルーツの子どもの日本語学習支援員をしています。
「指導員」ではなく、あくまでも「支援員」。
教育ではなく、福祉的側面から関わっています。

私が担当している小1男子のリッキーくん(仮名)は、保育園のころから日本で暮らしているので、会話レベルはネイティブ並み。「話す」「聞く」の技能は問題ありません。支援が必要なのは「読む」「書く」の技能。国語はもちろん、算数も、計算はできるのに文章問題になると解けません。

リッキーに初めて会った日、
日本語に難があり授業についていけていないと聞かされていたので、

す き な 

ど う ぶ つ は 

な ん で す か?

という具合に、ゆっくり、はっきり、話しかけました。

コアラ

ボソッと単語を発したリッキー。

まぁ、少しずつ話せるようになっていけばいいかな、焦らない、焦らない。


さて、お互いの緊張が解けた今、
私たちは学校からの帰り道をともに歩きながら、いろんなお話を楽しんでいます。

私「三連休は何してたの?」

リッキー「1日目は家族みんなで電車に乗って、遊園地に行ったよ。恐竜みたいなのがいて妹が気絶しそうになった。2日目は温泉に行った。3日目は回転ずし食べた。夜お母さんがステーキをたくさん焼き過ぎてみんなお腹が苦しくなった。」

ってな具合です。

いやいやリッキー、日本語ペラペラやんかー。

こんなに流暢な日本語を操っていますが、ひらがなの読み書きがほとんどできません。
絵や工作が好きなので、そのストレングス(強み)を活かした支援を心がけたいです。

とりあえず、絵を使ったカードでひらがなを覚えよう!

は、もともとの教材が「鯉(こい)」の絵だったけど、どうしても「さかな」と認識して、を、と読んでしまいます。

なので、リッキーが好きなコレに変えました↓

他にも、現代の子どもには分かりづらい絵があったので、本人が分かる単語にかえて、本人に描いてもらいました。

は、食べる海苔だそうです。
は、ワンピースのルフィかな?
は、もはや私には分からないけど、これで、覚えてもらえるといいなぁ。

そして、毎回私が折ったおりがみ作品をプレゼント!(最初の頃は一緒に折ってたんだけど、めちゃくちゃ時間とるからやめました。)

カンガルー!

そんなある日。

リッキーから、逆プレゼント、頂きました!!!

ピンクのガラケーです!

「オレの大切な携帯をあげるよ」だって。

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