季節は廻る

もうすぐ春が来る。春は誘って、葉は踊り、花は舞う。極彩色の拍手喝采、季節に心は唄う。
 
 私は、鬱陶しく緑一色に飾られる春の初めが好きではありません。やがて木々は花を咲かします。そこでやっと好きになります。そのほうが、美しいからです。因果というものがあって、事象に華がありというように、木にとっては生命の絶頂というべき、花を咲かせているタイミングこそが、傍観者である私にとって、一番美しく見える時なのです。

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