データサッカーの最前線をのぞき見


サッカーについて毎月、ここまでの文量が書けてしまうのか、と驚かされる『フットボール批評』。ペトロヴィッチ監督について読みたかったので買いました。

(買ったのはだいぶ前で、この記事を書き始めたのもだいぶ前ですが、いろいろあって今日公開します。)

まだ途中までしか読んでいませんが、「サッカーのデータ化」についての西内啓さんと岩政大樹さんの対談が非常に面白かったので、簡単に紹介したいと思います。


要約すると

データ分析の技術は進み、ゲーム中の「全部のデータ」をすでに取っている。これらを加工すれば、例えば各選手のポジショニングや、誰を経由したパス交換で得点の確率が上がるのかなど、まだ表には出ていないさまざまな分析が、定義を作るだけで可能。「ペナルティーエリアへのトラップでの侵入で得点率は上がる」「クロスを上げると得点率は下がる」「ミドルサードでタックルするごとに得点率が上がる」といった興味深い分析結果がすでに存在している。大事なのは、データと現場の意思決定(監督や経営陣)をつなぐ人材を増やしていくこと。

紹介される過去の分析結果が、シンプルに目からウロコです。

また、岩政さんがいろいろ提案したり、疑問を投げかけたりすることに対し、「そんなの簡単ですよ」という感じのノリで簡単に返答していく西内さんのスマートさがまた、読んでいて気持ちがいいです。サッカー界の未来がとても楽しみになります。


ちなみに西内啓さんは、統計家でJリーグアドバイザーをされているお方。

こういった専門分野を生かしてサッカー界に貢献しているのがとてもカッコいい。自分もこんな活躍を目指したいと思っています。


ちなみにフットボリスタによると、「マリノスの分析が国内でも最先端なのではないかと言われています」とのこと。


横浜F・マリノスのビデオアナリスト、杉崎健さんは、このインタビューで以下のように話します。

「5年前はそんなに重要じゃないと言われていたポジションです。分析に1人雇って給料払うぐらいならコーチをひとり雇ったほうがいいとか、コーチが分担してやればいいとか。でも、ドイツがワールドカップで優勝した時にデータ分析が注目されました。そこから一気に分析の世界も進んだんですよね。プレミアリーグはCLもELも決勝がイングランド対決となったことで、『インスタット』というスカウティングシステムが注目されたり、プレミアリーグの全クラブが入れている試合分析ソフト『スポーツコード』が注目されたりしています。必要性の理解と比例して普及が進みますね」
「マリノスではアナリストが私1人ですが、マンチェスター・シティは5人います。シティからは『分析を1人で担当するなんて!』と驚かれました(笑)。むこうの場合は、対戦相手分析、自チーム分析、フィジカル分析、パフォーマンス分析と細分化されていますから。だから、『一体どうやって1人でこなしているんだ?』って。『いや、そんなの1人で出来る訳ない』と答えましたけど(笑)。リソースが根本的に違いますよね。でも、CFGのなかにいると、この大きな差が視覚化出来て、かつ世界と伍していくために必要なツールや方法がふんだんに揃っているので、貪欲にキャッチアップしていきたいですね」

世界基準を取り込み始めているマリノス、今年の強さの秘訣が垣間見えた気がします。

JDPが推す北海道コンサドーレ札幌については、あまりデータサッカーとの関連が語られていないようですね。もし記事なり出ているようでしたら、ぜひ教えてください。

以上、JDPでした。

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