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詩・小説

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思いついた言葉の倉庫です。 たまに深夜のテンションで小説も書きます。
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2023年9月の記事一覧

【短編小説】トンネル

子供の頃、そのトンネルが怖くてわざわざ遠回りして帰っていた。 先の見えない暗闇から声が聞こえてきそうで、 耳を塞ぎながらそのトンネルから遠ざかる。 一緒に帰っていた友達もそのトンネルが苦手らしく、 二人で「あのトンネルなんであるんだろうね」と話していた。 ある日、そのトンネルの向こうから歪な形のナニカが出てくるのを見てしまった。 友達と私は走った。叫びながら走った。 それを見てはいけないと直感的に感じたんだと思う。 大人にそのことを話すと次の日にはニュースになっていた。

君と僕

何が言いたいかなんてわかっているくせに 傷つくことも本当は嫌いなはずなのに 言って欲しいんだったら言っちゃうけど 僕はひとりになりたいんだって ほら 泣いてさ わかっているのに聞くから 僕は言っただけなのに 不安ならどっか行ってよ 僕じゃない誰かをあたってよ 優しさだけが欲しいんなら 僕じゃない誰かをあたってよ ほんのちょっとの出来事でいじけてみたり 曖昧勝手な噂で悲しんでみたり 憂鬱な雨の日に出かけてみたり 僕はひとりになりたいんだって もう 言ってんのに 前からず

Dependent smile

曖昧な優しさで縛って 僕を痛めつけていく 「あなたが好き」といいながら 「いい子にして」と君は怒って 僕は良い子がわからない 「あなたは良い子」と言いながら もうわけわかんなくなって 僕は僕を確かめて 傷ついた身体治そうと必死になっている そんな僕を笑う君 そして僕もつられて笑う 「ひとりにして欲しいの」って僕を外に出すけど 「そばにいて」と言いながら 不機嫌な君は僕を見てそこら辺のもの投げつけて 「あなたのせい」と言いながら もうわけわかんなくなって 僕は出たり入った

忘れんぼ

探しているのは誰でしょうか? ばあちゃん、あの子は誰でしょうか? 時報がお家に帰れって あの神社の道を通りましょう 夕立に追われて帰りましょう ばあちゃんの手を引いて帰りましょう 明かりの灯った窓の外 ねぇどうしてここから動けんの? 遊びましょう 遊びましょう 隠れたあの子を探しましょう? 帰っても 帰っても 居場所がないなら遊びましょう? 探しているのは誰でしょうか? ばあちゃん、私は誰でしょうか 湿った地面が吸い込んだ この涙はどうして悲しいの? 朝焼け綺麗に飲み込

♡が足りない!【オリジナル曲】

それなしじゃ生きれない 限界のpoison 憂鬱な月曜日にフラッシュライトを焚いて 合図を送るよSOS 君なしじゃ生きれない 既読のつかないLINE 暇なわけじゃないのにずっと画面をいじってる 放り出したいTuesday 部屋の隅に転がるイヤホン 無くしたはずのあのドアのkey one more time 転がって 有限の♡消費して ショーを見して 疲れた体に鞭打って 遊びつくすには時間が足りない! 夢なしじゃ生きれない 正解のanswer 来週の半ばくらいに語り合お