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Op.003【書評】春名久史著『40歳オーバーでニート状態だったぼくが初めてTOEICを受けていきなり930点取って人生を劇的に変えた、効果絶大な英語勉強法』リンダパブリッシャーズ 2015年 全208頁

2016年以降 新テスト対応版はこちら(Kindle)

目次
1.プロローグ
2.目次
3.はじめに
4.TOEIC900点突破の奥義
5.第1章 TOEIC900点突破のための最高の方法
6.第2章 スケジューリング
7.第3章 具体的な勉強方法

https://twitter.com/harunahisashi

 こちらの書籍は私が2009年に受験した際にやった勉強法に近いため、早めにご紹介したと思っていた書籍です。まずプロローグが長いですが、著者に感情移入するための大切な導入部分と思って軽くお読みください。漫画でもアニメでもドラマでも第1話は皆さん寛大に「待ち」ますよね。

現時点(2022/07/20)でAmazonの評価は33個と低いが内容は悪くないと感じています。(1)

本書において注意点を箇条書きにすると以下の通り、
①1日10時間を35日繰り返して約360時間で(旧テストを)930点取得した。
②地方の私立大学を中退しているが、高校英語の経験者である。
③当時の公式問題集を5冊10回ずつ回したと記載があるが、購入したのは直近のVol.5のみのような記述がある。
④公式問題集を読んでも理解できない人は講師が必要という注意点には触れている。

事実、私も旧試験を受験した際は、アメリカの問題集を使用した。

 ただ各Partの解答テクニックを手塚先生という方にレクチャー頂く機会があり、3カ月で高得点を取得出来た。集中力もなく落ち着かない性格であったが、解答時における手順をしっかり対策すればある程度語彙力がある人は高得点が目指せると私は思っている。

 実際に現在TOEIC対策を教えている友人の子供に対してこの手法で学習を進めている。本書が指し示す勉強方法の利点として、まず頭をそれほど使わせないという点が生徒に合っていると感じたためである。生徒の状況は一度公式問題集を読んでも理解できない状態である。そのため著者の述べている講師が必要な状態であると言える。よって文法や語彙力強化の補足は別途彼には必要と感じている。
 ただし、毎日継続して学習するという点において社会人である生徒がただでさえ苦手意識を持っている英語の試験勉強を反復・継続・独立していけるかといえばはっきり難しいと断言できる。すでに簡単な課題を課しているが、結果からみて全くやっていないか、成果の出るやり方をしていないからだ。
 だが、まず1冊しっかり答えが用意されている公式問題集を日本語から読みなさい、意味はすべて理解出来なくてよいというスタートからの手順で自習を促す上でこれほどにまで逃げ場のない条件はないと思っている。
 また、学習記の方で触れるが毎週1回講義を行っている。その際に公式問題集からまま小テストを毎回出すことで進捗・学習状況の確認しようと思っており、とても効率が良いと感じている。

 何から手をつけていいか分からない、どう勉強していいか分からないでも独学で何とかしたいという方にはまずこの書籍の指し示す勉強方法を試してはどうだろうか。過去問集ではないが、公式とうたわれた問題集を解くことは最短距離で必要とされるスキルを身につける上で出題者が求めているものがすべてそこに凝縮されているという点において私は著者の主張に同意する。

 英語に自信があるという方であれば、新テストに対応した書籍が出ているようなので、私が使用した書籍と同じ著者のものをここに参考までに上げておく。

 この記事を読まれる方は、英語に苦戦したりTOEICスコアが伸び悩んでいる方が多いと思うので、直近の公式問題集(2022/07/20時点で最新版はVol.8)をまず1冊購入して試してみることをおススメする。旧テストの公式問題集もあるので、誤って購入しないように注意されたい。

直近の公式問題集で物足りなくなったら、難問をそろえた以下の問題集がよい。解き方の解法手順なども載っているため、突然の難問に試験当日パニックになることは多少は防げるだろう。

 レビューでも指摘されているが、1日10時間勉強する時間があり、ある程度文法や単語をそれなりに覚えられる素養がある方は短期間で著者のような成果を出すことは可能だろう。ただエビングハウスの忘却曲線は一日にやったことの約70%が失われるとされているため、間をあければあけるほど成果を出すまでに必要な期間は伸びる可能性があることだけは示唆しておく。

 ちなみに私は言っても課題をやっているように見えない生徒への対策として彼の父親を説得して上記2冊を含めた全9冊を即購入してもらった。生徒には常に目のつく場所にそろえて置くように指示している。まずやるべき分量をまとめて見せて、直近1冊のみを課して「ほら、タスクは8分の1だよ。出来るよね?」という圧をかけ、もし成果が出なければ適時増やしていくと嫌がら・・・伝えている。

よってETSはこのように売り上げに貢献している私に何か渡すべきだと思っている。

"I deserve to have a reward for contributing your sales, ETS."


(1)2022/07/03時点でAmazonレビューは33個、内星5つ 57%、星4つ 18%、星3つ 16%、星2つ 0%、星1つ 9% となっている。レビューの内容も低評価は、星3つ以上からレビューが書かれている。星3つの理由は何度も同じ内容を書いている点、第3章(61頁)のみで足りるという指摘。星4つは「スラスラ」読むといった表現に対して音読なのか黙読なのか具体的でないとの指摘や1日10時間勉強した点などに対する汎用性を疑う内容だった。星5つは500から840まで約3ヶ月でスコアアップしましたという記述があるので、前回の青山氏の辛辣なコメントに比べれば、「根性論」だという指摘もあるがまだ信頼性はあるようだ。


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