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白衣からみる情報の非対称性-白衣授与式に学ぶ

皆さんこんばんは。ジョンです。

オンライン授業で毎回顔出ししているのですが、「お前の顔はもう見飽きた」「久しぶりな気がしない」言われて、嬉しくも悲しくもある。そんな一日。

今日は「病院の中のスタッフを見分けられるか?」という話です。


スターバックスのブラックエプロンを見分けられるか?

例えばスターバックスに入ったときのことを、想像してみましょう。

スタバには「ブラックエプロン」という概念があるようでして、幾つかの条件を満たした人に贈呈されるそうです。
ここでは深くは触れませんが、バリスタ認定試験など、幾つかの試験に合格する必要があるそうです。


さてここで問題。
スターバックスに始めて入ったとしましょう。
緑のエプロンと黒いエプロン、どっちが知識があるか?ということを、客の方から判断することが可能でしょうか?

答えは皆さんの心の中にとどめておいてください。


医療現場では、これと似たような現象が起こっているそうな。



例えば病院に行って、白衣を来た人を見かける。ナース服を来た人を見かける。

実習に参加している人なら同級生だ、とか先輩だ、と見分けがつくかもしれません。

しかし、何も知らない患者さんから見ればそれは「白衣の人」なのです。実習生、研修医、ベテラン医師、その見分けが付かないのです。
つまり、患者と医療者の間で、情報量に差が生じている、、、。


これを「情報の非対称性」と呼びます。


医療は「サービス業」の側面を持っています。
患者は治してほしいという思いで病院を訪れるわけですが、「実際に与えられたサービス」と「病院で受けれられるサービスへの期待値」を比較し、後者のほうが高かった場合、不満が生じるのです。

実際に受けたサービス>>期待されるサービス => 満足

期待されるサービス>>実際に受けたサービス => 不満、時にクレーム


「実際に与えられたサービス」とは、何を含んでいるのでしょうか。

医師に診療してもらったこともそうですが、時に間違えて話しかけた「白衣の人」からの対応が悪いことで、不満が生じてしまうことがあります。これが「実習生へのクレーム」です。

「白衣の人」からの対応が悪い。どんなシチュエーションなのでしょうか?

「だから勉強しろ」ではない。でも患者は「白衣の人」を区別できない

ここまでで「患者から見たら病院実習生なのか先生なのか、判断できない」「実習生へクレームが来るメカニズム」についてお話してきました。

でも、「だから医学生も実習に臨む際に勉強していかなくてはならない」とつなげるつもりはありません。それは都合の良い事実かもしれませんが、関係ないですから。


患者が病院の中で「白衣の人」に話しかけるタイミングは、どこにあるでしょうか。
病室の中?廊下?待合室?

おそらくどの場所であったとしても、医学的知識が求められているわけでは無いと思います。

だったら僕たち私達でもできそう、と感じませんか?

(※ もし廊下で医学的な知識について尋ねられた場合は、「わからない」一択だと思います。ここは病院。学生ではなく専門家に話を聞くことが出来る場所です。)

「白衣の人」に話しかけて来た患者に対して、何が出来るか。

それは、「話を聞くこと」です。敢えて「普通に」という言葉は入れませんでした。

普通に話を聞く。なんにも伝わりませんからね。因みに「普通に」を意識的に言語化するならば

  1. 廊下をすれ違った人にはニコッとして会釈する。返事は期待しない。

  2. 「すみません」と聞かれたら、「どうしましたか」と答える。

くらいでしょうか。意外と少なかったですね。

2の延長で色々と聞かれた場合には、例えば道案内であれば「受付まで案内しましょう」、わからない問題であれば「お力になれず、申し訳ありません」と正直に伝える。
勉強しなくても良い(してくれるにこしたことは無いが)。
ただ病院の中で白衣を着るのであれば、道案内や分かることには答えよ、というわけです。

これをしていて、例えば「道を聞いたのに教えてくれなかった😩受付まで投げられた」みたいなクレームが付いたら、もう知りません。

実習は白衣の人≒医者 を演じきる場所

どうでしょうか。ここまで、「だから勉強したほうが良い」という言葉が一度でも出てきたでしょうか。
病院の中で白衣を着る。それは、患者から見れば「センセイ」になるのです。だらしない格好、会話は誰もいないところに留めておきましょう。

普段であれば「長いなぁ…」と思い、こっくりこっくり船を漕いでしまうセレモニー。たまたま話を聞いていると、すごく良いことを話しているのです。さすが、経験者の言葉は違います(学部長、学長センセイともなれば)


情報の非対称性。患者からみたら全部白衣。

この気持ちを忘れず、実習に臨みたいと思います。


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