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DX人財のケイパビリティについて考えてみる

※この記事は約1500文字です。約3.5分で読めます

経済産業省が、2018年9月に「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」を公表して以降、DXに関しての議論が多くされる事になりました。
どうDXを行うかの方法論やDXに最適なITインフラ、アーキテクチャー論、ビジネス観点でのあるべき事業方針など、色々な要素について記事を見ない日は無い程です。

その様な状況下、経産省が先日、デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書『DXレポート2(中間取りまとめ)』を取り纏めました。

その中でDX人財の確保が1つの重要な中長期的対応として挙げられています。今回、DX人財のケイパビリティについて考える機会があったので、少し思いつく所を纏めてみる事にします。

1.DX人財とは

まず、経産省は2018年の「DX推進ガイドライン」にてDXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義しました。

簡単に言うと、データのとデジタル技術を活用し、企業を変革していく事、こうした取り組みを主体的にできる人が、DX人財と呼ばれるでしょう。
その能力としては、幅広いIT知識は当然の事として、そもそものデジタル素養、延いてはリーン・スタートアップやアジャイルの様な仮説検証型のビジネスモデル理解、それを実施する為の経営学的観点など多岐に渡ります。
次に、いくつかの知識について例を挙げてみます。

2.デジタル素養

計算論的思考をご存知でしょうか。
以下のJeannette M. Wing氏の記事が有名です。

プログラミング的思考とも言われますが、上記翻訳をまず理解出来る力が必要でしょう。知識と言うよりは、数学を理解する為に必要な、

・帰納と演繹
・定性と定量
・分割と総合

を基本の事象への向き合い方とし、デジタルを見る姿勢を持つ素養と言った所でしょうか。

3.仮説検証型のビジネスモデル理解

こちらは多量の書籍や記事もあり、詳しい方も多いと思いますので、代表的な書籍である以下を紹介するまでとします。
不確実性が高い市場でどう価値を出すかの方法論であるリーンスタートアップの実際の方法論や進め方が学べる本です。
CloudFireというシステムを拡販する過程を通じながら、実際の方法論や進め方が学べます。リーンキャンバスの実際の進め方等非常に参考になります。合わせて巻末の推薦図書も読まれると良いと思います。

4.DXを実施する為の経営学的観点

「経路依存性」と言う問題をご存知でしょうか。
如何なる状況下においても人や組織がとる決断は、過去の状況や現在の状況に関わらず、過去のその人や組織が選択した決断によって制約を受けると言うものです。
以下の記事で良く纏まっていますが、DXを行い、新しい事業立ち上げを目指しても既存の歯車に引っ張られ上手く行かないと言うものです。

打破する為にはこれまでの文化に縛られない全く新しい組織で何かを行うなり、組織的構造を打破する様な取り組みを行う必要があります。
この辺り、組織論や経営学、社会学の素養も必要でしょう。

5.まとめ

如何でしたでしょうか。
今回DX人財の要素を調べる中で少し面白いなと感じた要素をいくつかあげてみました。
こんな人財なかなか居ないと思いますが、それこそ組織として事象に対峙し、個々の力をレバレッジする様な組織構造をCXOが構成する事が必要でしょう。

もし、そもそもDXってどう進めれば良いの?の様な疑問があれば以下が導入として参考になります。
DXへの3ステップ(デジタルパッチ→デジタルインテグレーション→デジタルトランスフォーメーション)を説明しており、具体的な手法や例はあまり書いていませんが、DXを支える組織を作る側であれば参考になるかと思います。

VUCAな世の中を生き延びる為に、希少なDX人財の素養を少しでも身につけていければなと考えています。ここまで読んで頂き、有難う御座いました!



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