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ウェディング業界を変える方法

世の中で見たくないもの

戦争、子どもに先立たれた両親、悲しみで頬を濡らす花嫁・・・
いずれも、見たくはないものです。
そして、これも挙げられるでしょう。
「自分たちが結婚式を挙げた大切な場所が、跡形もなくなっている姿」

ウェディング業界の衰退について

現在、結婚式場は年々減少傾向にあります。
「タウンページデータベース」NTTタウンページ調べによると
2013年は4,724ヶ所だった結婚式場は、
2022年には3,252ヶ所にまで減少しています。
30%以上もの式場が廃業している、ということです。

主な原因は、少子高齢化などの影響による
婚姻数の減少だと言われていますが、
「結婚式離れ」もその要因の1つです。

籍を入れても結婚式を挙げないことを
通称「ナシ婚」と言います。
2010年代以降、ナシ婚の割合は増加傾向にあり、
約50%がナシ婚だと言われています。

結婚式離れを引き起こした要因は様々ですが
弊社は「ウェディング業界の姿勢」も大きいと考えております。
*結婚式離れの原因に関しては、また別の記事で書こうと思います。

ウェディングの歴史

「ウェディング業界の姿勢」と書きましたが
ここで少し、ウェディングの歴史について書かせていただきます。
といっても、〇〇時代から始まり・・・
みたいなことは割愛させていただきまして。

現代のような結婚式は、戦後に始まったと言われています。
「人前結婚」と言われるスタイルで、
結婚の誓いを神仏に対して行う代わりとして、
参加したゲスト全員に証人になってもらう考え方の結婚式です。

ホテルや専門式場などで式を挙げる人が増え
その後、1990年代に
ハウスウェディングというスタイルが確立されてきました。

ハウスウェディンは、
ゲストをもてなすための邸宅「ゲストハウス」を、
半日から1日程度、一棟まるごと貸し切って
挙式や披露宴をするウェディングスタイルのことです。
レストランウエディングの自由度、プライベート性と、
専門式場のノウハウを結集したのがゲストハウスです。

ハウスウェディングはどんどん支持を得て、
現在、地域によってはホテルを逆転し、
3割以上のシェアを獲得しているケースもみられるほど
浸透しています。

利益至上主義

ハウスウェディングを手がける企業は増えていき、
いずれも好業績を挙げ、
現在では上場する企業も増えています。

人というものは面白いもので
何かを持つようになると、
それを益々持ちたくなるようです。
お金儲けに味をしめると
もっと、儲けたくなるようです。

誤解してほしくないのですが
お金を儲けることは、決して悪いことではありません。
問題は、その「儲け方」にあります。

弊社は、法人化する前からフラワーアーティストであるマミ山本が
料亭等におけるウェディングの装花を手がけていました。
30年も前のことです。
マージンの話を別の記事で書きましたが
現在のマージン率は、多い場合は50%にもなります。
しかし、30年前は10%程度でした。

ところが、ハウスウェディングが市場を席巻してからというものの
マージン率はどんどん上昇していきました。

マージン率が上がれば、ハウスウェディング会社の利益は増えます。
一方で、外注先の利益は目減りしてしまうのですが
原価を下げることで、粗利を確保できます。

一般論になりますが
原価が下がれば、商品やサービスの質は低下します。
質が低下すれば、お客様の満足度は下がります。
お客様の満足度が下がれば客離れが進み
会社の売り上げは下がります。
だから、何も考えずに原価を下げようとするのは
会社経営としては愚策になります。

ところが、ウェディング業界は特殊です。
なぜならば、リピートされないサービスだからです。

結婚式を挙げる人は、それがおそらく
人生で初めての経験になります。
「結婚式における費用は、こういうものなんだよ」
と伝えられても
その会場の所在地(駅から近い等)だったり
外観や内装の見栄えが気に入っていれば
従わざるを得ないのです。

先に書かせていただいた
結婚式離れの要因=ウェディング業界の姿勢というのは、
こういうことだったのです。

どうやって変えるか

イメージが悪化しても、不景気だとしても
式を挙げる人は挙げます。
その方々に選んでもらうためには
マーケティング活動がすごく重要です。

マーケティングの本来の意味は
簡単に言えば
「商品やサービスが売れる仕組みをつくること」です。
ウェディングにおけるマーケティングは
「新規顧客の獲得活動」と考えると分かりやすいと思います。

基本的にウェディングは、リピートされません。
ですから、ウェディング市場で勝ち組になるためには
新規顧客の獲得活動=マーケティングで
勝っていかなくてはいけないのです。

廃業してしまう式場の一番の理由(と、わたしが考えている)は
マーケティング力がないからです。
どれだけ素晴らしいサービスだったり
お客様への接し方が素敵だったとしても
新規顧客を獲得する力がないと
ダメなのです。

利益至上主義に走った会社は
簡単には元に戻りません。
それは歴史が証明しています。
だから、ウェディング業界を変えていくためには
素晴らしい取り組みをしてる式場が
新規顧客を獲得できる力を身につけることが
最良の手段だと思うのです。

結婚式離れの真相

ナシ婚の最大の理由は、なんだか知っていますか?
「お金がない」です。
でも、本当にそうでしょうか?

もっと深く理由を聞いてみると
本当にお金がないのではなく、
「結婚式に使うより、もっと他のことで有意義に使いたい」
という層が、一定数いるのです。

利益至上主義の影響により
「ウェディングは無駄にお金を使わされる」
というイメージが強くなりました。
実際に「ボッタクリ」と思えるような
そんな経験をした人が増えていき
その子どもたちに
「結婚式なんて、やらないほうがいい」
と伝えてしまうのではないでしょうか?
そんな状態では、今の若者は
積極的に結婚式を挙げようという気持ちがなくなります。

お金がないのではなく、
結婚式にお金を使うことを否定する、
あるいは消極的な層に対して
イメージを変えるようなことをしていかない限り
ウェディング業界は活性化していきません。

イメージを変えるには、
まずは企業姿勢を変える・・・
いえ、そういう姿勢がある会社を生き残らせて
後に繁栄させていくことが大切です。

最後に

わたしは理想論を唱えているのではありません。
この記事は、これからの弊社の活動に関する
宣言文なのです。

Bridal Revolution

これが、これからの弊社の活動のテーマです。
質の高いサービスを提供できる式場を増やし
その式場に、新規顧客を獲得できる力を身につけていただくこと。
そして、業界全体のイメージアップにつながる取り組みをすること。

道のりは遠いかもしれませんが
必ずやりとげます。
期待していてください。

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