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「何も無い」は、「全てが有る」ということ

お茶の世界に『侘び茶人』という言葉があります。

すなわち『物を持たずして心を生かす』という事が出来る茶人を言います。

無を生かす、あるいは無が生きた無である事に大きな意味があると云われています。

また、茶室は「狭小の宇宙」とも云われています。亭主がお茶を通じて客もてなす為の部屋ですが、心の豊かさを何よりも尊ぶ為、設えは質素を旨とします。

一切の華美を廃し、虚栄を廃し、想像力を生み出す余白を重んじます。

「足るを知る」「今あるものを生かす」さらにその先は「何も無い状態を是とする」そこからは無限の想像力が生まれるのです。

凡人の言う「無い」は「想像力が無い」ということに他なりません。

そして「何も無い」は「全てがある」ということです。

写真は天皇が外国の国賓と会見される部屋です。

ここには、二人が共有した豊かな時と、会話した事実のみが存在します。


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