JOG特別号外 【RPE】★聖徳太子の叡智が日本を分断から救う?
【伊勢雅臣】引き続き、私が最も信頼する国際政治評論家・北野幸伯氏の「ロシア政治経済ジャーナル」で、拙著『大御宝 日本史を貫く建国の理念』を論じていただいたので、転載させていただきます。
アメリカは中絶、銃規制、移民、LGBTなどの問題で国内が真っ二つに分断されていますが、
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今回伊勢先生の最新刊を読んで、「聖徳太子のおかげで日本は分断を免れているのかな~~?」と考えてしまいました。
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とは、筆者にとっても「なるほど、こういう読み方もあるのか、さすがは、、、」と勉強になりました。
RPE Journal==============================================
ロシア政治経済ジャーナルNo.2658
2024/8/3
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★聖徳太子の叡智が日本を分断から救う?
全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!
北野です。
(@本のPRがありますが、依頼されたわけではありません。)
前号でご紹介させていただいた、伊勢雅臣先生の最新刊
◆『大御宝 日本史を貫く建国の理念』
を読み終わりました。
完読し、「やはり、これは全国民必読の本だ!」と確信しました。
この本には、日本史上のいろいろな偉人たちが登場します。
・天照大神
・神武天皇
・聖徳太子
・聖武天皇
・桓武天皇
・藤原園人
・藤原道長
・菅原道真
・源頼朝
・北条泰時
・北条時宗
・後醍醐天皇
・楠木正成
・織田信長
・豊臣秀吉
・徳川家康
・明治天皇
などなど。
この本を読むと、日本を代表する偉人たちの動機がよくわかります。
偉人たちは「民(=大御宝)を幸福にしたい」という動機で動いていたと。
自虐史観の教科書・歴史本では絶対的出てこない話が山盛りでした。
▼聖徳太子の叡智が日本を分断から救う?
この本には、いろいろ興味深い話があります。
一つ例を挙げておきましょう。
聖徳太子の話です。
聖徳太子といえば、「十七条の憲法」が有名です。
もう一つ、「冠位十二階」も有名です。
これは604年に制定された日本ではじめての冠位・位階です。
大徳・小徳・大仁・小仁・大礼・小礼・大信・小信・大義・小義・大智・小智の12階の冠位が制定されました。
これを見ると、なんとなく「儒教からとったのかな」と思われます。
しかし、伊勢先生は、順番が違うことを指摘されています。
儒教で五つの徳目は、仁 義 礼 智 信 の順番。
冠位十二階では、仁 礼 信 義 智 になっています。
この順番について、伊勢先生は詳細な解説をされています。
私がとても面白いなと思ったのは、
儒教では義が二番目に高い徳目。
冠位十二階では、義は4番目でそれほど重視されていないこと。
伊勢先生の解説によると、「「義」は何が正義か、「智」は何が真理かの洞察力」だそうです。
ところが困ったことに、人間は不完全な存在で、「智」を使って、「何が正義(義)なのか」を追求しても、
【 答えが人によってバラバラ 】
になってしまうという問題がでてきます。
わかりやすい例をあげておきましょう。
中絶
銃規制
移民
LGBT
これらは「義」なのでしょうか、どうなのでしょうか?
アメリカ人は「智」を使って考えたのでしょう。
その結果、民主党は、「中絶は義」「銃規制は義」「移民は義」「LGBTは義」としている。
一方、共和党トランプ派は、「反中絶は義」「反銃規制は義」「反移民は義」「反LGBTは義」としている。
結果、アメリカ社会は分断され、トランプが負けたら大暴動が起こり、それが内戦に発展する可能性まで出てきています。
聖徳太子は、人間の智が不完全であり、義が人それぞれであることを知っていた。
それで、
仁 = 思いやり
礼 = 仁(思いやり)を行動で表したもの
信 = うそのないこと、誠実さ、信用、信頼
を、人によってことなる義や智より上位においたというのです。
そして、これらの徳目によって聖徳太子が目指したのは、言うまでもなく
和
です。
十七条の憲法第1条
「和をもって貴しと為し」
はあまりに有名で、日本は「和の国」と言っても過言ではないでしょう。
伊勢先生は、仁 と 和 の違いについて、解説されています。
〈「仁」が個人の徳であるのに対し、「和」は共同体の徳なのです。
したがって「和」は「仁」を含み、さらに高い共同体次元の理想を表しています。〉(p73)
ーー
聖徳太子は、不完全で一人一人ばらばらな「義」や「智」ではなく、
「礼」「信」をより重視しました。
今世界は、三つのタイプに分かれています。
民主主義国家は、分断されている。(例、欧米)
独裁国家は、分断されていないが、自由は全然ない。(例、中国、ロシア、北朝鮮)
日本は、民主主義国家ですが分断されていません。
なぜでしょうか?
日本人は意識するしないに関わらず、ほとんどの人は「和をもって貴しと為し」なのでしょう。
そして、争いの種になりやすい「義」よりも、「仁」「礼」「信」を重んじるのです。
これ、私の知り合いで、日本に移住してきたアメリカ人が言っていました。
「今のアメリカ人は、違う意見の人に対して攻撃的で怖い!」と。
「日本では、どんな主張をしても、それで態度が変わることはほとんどない」と。
今回伊勢先生の最新刊を読んで、「聖徳太子のおかげで日本は分断を免れているのかな~~?」と考えてしまいました。
この本には、全然知らなかったこと、新しい見方、考えさせられるエピソードが山盛りです。
是非、ご一読ください。
北野絶対お勧めです。
◆『大御宝 日本史を貫く建国の理念』
PS
北野の新刊、快調に売れ続けています。
◆『プーチンはすでに、戦略的には負けている
~ 戦術的勝利が戦略的敗北に変わるとき 』
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PS2
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