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国際派日本人女性ここにあり

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幕末・明治時代に伝統的な教育を受けた日本人女性で国際社会で活躍した人々は少なくありませんでした。
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#北アメリカ

JOG(1363) 明治の国際派日本女性ここにあり ~ 明治の女性たちがなぜ海外で活躍できたのか?

 江戸時代の伝統的教育しか受けていない女性たちが、なぜ海外で活躍できたのか? ■1.ひどい「男女格差」でも「女性の幸福度」はトップレベル?  世界男女格差報告書(2023)では、日本は146カ国中125位と下位に沈んでいます。先進国中ではもちろん最下位ですし、韓国105位、中国107位よりも低いのです。なかでも「国会議員の男女比」131位、「管理職の男女比」133位などが足を引っ張っています。  しかし、日本女性が「ひどい男女格差」のために不幸になっているかというと、そ

JOG(1375) 永井繁子と恩賜の銀盃 ~ 日本の近代音楽教育を拓いた女子留学生

 日本初の女子留学生の一人、永井繁子は皇后陛下の女子教育への思し召しを実現すべく一生を歩んだ。 過去号閲覧: https://note.com/jog_jp/n/ndeec0de23251 無料メール受信: https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=172776 ■1.「大和魂はかえって日本女性に宿っていたのか」  繁子が米国留学に赴かねばならない事を知ったのは、明治4(1871)年、静岡県の沼津で永井家の養女として静かな田舎暮らしを

JOG(619) 武家の娘(下)~ アメリカに生きる

 武家の娘は、西洋も東洋も人情に変わりはないことを知った。 ■1.アメリカの「お母上」■  松雄と鉞子(えつこ)はウィルソン夫妻の邸宅で20日ほど過ごした後、6月の美しい日に結婚式をあげた。花の香の充ち満ちた部屋に象牙細工をほどこしたテーブルが置かれ、その前には日米両国旗が交叉して掲げられていた。二人はそこに並んで立ち、聖書の朗読が行われた。参列者はみな、美しい結婚式だと賛美した。  やがて、二人はウィルソン夫人の親戚の未亡人の家に住むことになった。近くの丘の上に立つ、