10年前の自分の文章(記録保存)

Facebookの「過去の思い出」に10年前に書いた自分の文章が出てきたので、記録としてnoteにも転載しておきます。
この文章は会員向けに書いたものでしたが、音楽という分野に限らなければ、広く社会全体の大人へ向けたメッセージでもありました。その後の社会は僕の思いとは逆方向に進んでしまってるようにも感じます。

(以下10年前の文章)

NPO法人ふるさと越後温かい音楽の会年次総会理事長挨拶

 本日はご多忙の中をお集まりいただきましてありがとうございます。年に一度の総会、原点に立ち返り、今まで歩んできた道は良かったのか、これから歩むべき方向性はどうなのか、などを考える機会といたしましょう。

 本会は①音楽の生涯学習②ボランティア演奏③音楽による地域おこし、の3つを活動の柱にしております。そして、皆さんにとっては①→②→③という順番で活動を深化させていく指針とも言えるでしょう。

 世の中に音楽団体は数多くありますが、このようにアマチュア音楽愛好者に活動の目標を明確に提示出来ている団体はそんなに無いかもしれません。とくに大人の愛好者に「楽器が少しでも弾けたらいいな」という最初の憧れの「次の目標」に何を持ってくればいいのかを考えることはとても大事なことなのです。

 私たちはそのキーワードに「温かい音楽」というものを掲げています。普通の音楽と温かい音楽との違いはなんでしょう?冷たい音楽があるとしたらそれはどのようなものでしょう?

 いろいろな答えがあるかもしれませんが、私が今考える「温かい音楽」には2つの意味を感じます。ひとつには「自分自身が心温まる音楽」、もうひとつは「人どうしのふれあいから生まれる温かい音楽」です。

 本会は、会員の皆様の支えによりまして、ここまでこの上越地域における「温かい音楽の文化」が維持されてきたと思います。そして、今度はこの素晴らしい文化を次世代に受け継いでいくことを考えていかねばなりません。

 現代は「大人の責任が放棄された時代」ということが言えるかもしれません。日本は世界有数の物質的には豊かな国であるはずですが、未来に目を向けると、マクロな政治や経済にしてもミクロな地域や家庭の問題にしても、若い人が将来に希望を持ち得ていないという統計数字が出ています。

 厳しい見方をするならば、本会の活動も現状のままでは若い人々のための将来への役割が果たせていないのではないでしょうか?皆さんそれは「関係無い」ことだと思いますか?もしそう思うならば本会の活動はあと5年程度で終了となります。「関係無い」という言葉は「温かい音楽」の理念とは相反する冷たい言葉のように私は感じます。

 これから何をしていけば良いのか、皆で考えましょう。私からも提案したいことがあります。音楽愛好者が音楽以外の方々と協力して新しいパワーを生み出す、若い方々の文化と大人の文化をコラボさせる新しい工夫をする。まだまだやれることはたくさんあります。今年度もNPOの活動をよろしくお願いいたします。

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