主人公ごっこはつづく25.(おれはやっぱりボクシングに向いてないな)
開場。前座ボクサーはホールの通路で試合を待つ。席に向かう同級生と目が合ってガッツポーズでエールをくれた。なんだか心強くて、国体予選のときを思い出した。試合開始時間になるとゴングが高らかに打ち鳴らされ「第一試合、両選手、リングに入場です」とアナウンス。アドレナリンと緊張感で頭が爆発した。「ッしゃァッッ!!」と雄たけびを上げ眉間にシワを寄せながらリングへ向かった。ボクサー、ではなく格闘家で言うならヴァンダレイ・シウバのような殺伐としたテンションで入場した。今とは大違いの入場スタ