催眠療法
学生時代に関わった先生や同級生たちのことはすごく詳しく覚えている。今もそうだけれど、私は10代の頃から他人の価値観から影響を強く受けやすくて、人の人生の話を聞くのがとても好きだった。
今日は私の価値観に少し影響を与えた方々のうちの1人のお話。
高校1年生のときの現代文の先生は41歳で猫背だけれど背がとても高くてキムタクみたいな顔で低いバリトンの声。でも強そうな見た目とは裏腹に繊細な人だった。
病気の奥様と奥様の連れ子の女の子を何より愛しているらしいけれど、ちょっと生徒に対してはドライな印象を受ける人だった。
私は授業中静かにしてはいるけれど、あまり授業をしっかり聞けない生徒だったから授業の内容も今はもうあまり覚えていないのだけれど、先生たちの雑談だけは興味があったのでしっかり覚えている。
その先生の雑談で私が覚えているのは3つ。
1つ目はビリーズブートキャンプをやれば痩せるということ。先生は一夏で10キロ痩せたらしい。私もそれに習って2ヶ月で5キロ痩せた。ちょっと膝を痛めたな。"No Pain No Gain"だってビリーが言ってたからいいけどね。今はYouTubeにあがっているからまたたまにはやってみようかな。
2つ目は催眠療法について。
先生は身体が大きくて見た目はちょっとコワイのに、最近まで雨の日がすごく怖かったらしい。大雨になると震えて動悸が止まらなくなる。
それで催眠療法を受けた結果、先生の少年期のある事件がきっかけだったことを突き止めた。
その事件は先生が極貧だった幼少期(3歳頃)に起きた。両親が共働き。保育園に入れるお金もないし預けられる祖父母もいない。寂しがった先生は毎朝親について行こうとしたらしい。
粗暴な両親は自分たちの出勤前に毎朝先生を大木に縄で縛り付けて出て行っていたらしい。
そしてある日先生は雷に打たれた。
それがきっかけで先生は雨が怖くなった。
...という因果関係が究明できてから、先生はもう雨の日に動悸や震えが来ることもピタリと止まった、という話。
3つ目は、卒業しても俺に会いにくるな、と言っていたこと。私の母校は中高一貫校なので母校愛強めな人が多く、私立なので先生たちの異動もないので卒業生がよく先生たちに会いに来ていた。会いに来るべきでない理由は忘れたけど多分「俺は君たちにとって通過点に過ぎないから過去じゃなくて今を頑張れ」という話だったと思う。
砂川先生、元気かな。卒業してから私は一度も学校に行っていないし同窓会にも行ってないけど、先生方にはとても感謝してます。先生たちがもう覚えてないようなことで、私は救われました。ありがとうございます。
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