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[司法試験] 民法のオススメ基本書5選 2023


▼ はじめに


法学部生、法科大学院生や、司法試験を受験される方向けに、民法の基本書のオススメを紹介します。2023年現在のものです。

オススメの基準は、

①判例通説の立場で書かれていること
②分かりやすいこと
③読み切れること
の3つです。
基本書マニアの私が、完全な私見に基づき、基本書を紹介します。
民法は、ほとんど潮見先生の本の紹介になってしまいますが、あくまで上記の観点からセレクトした結果です。

1 潮見佳男 『民法(全)』

言わずと知れた民法の大家で、京大教授の潮見先生による一冊本です。
潮見先生は、多作で、色々な本を出版されていますが、自説を展開されている本(新債権法総論などの法律学の森シリーズ)は難しいものも多いです。本書は、もともと入門書として、法科大学院に未修者などの読み手を念頭に、判例・通説の立場から、800ページ程度で、民法全体を通貫できるように書かれたものですから、手元に置いておくべき一冊と言えるでしょう。法学部の平均的な教授の講義を聞くのに代えられる内容とのことです。
もっとも、潮見先生ご自身も書かれているとおり、淡々と判例・通説の立場が書かれており、面白みに欠ける部分もあり、これだけ読むと退屈な感じもあります。あくまでメイン用にして、他の基本書を併用すべきかと思います。

2 潮見佳男 『『基本講義 債権各論〈1〉契約法・事務管理・不当利得』、『基本講義 債権各論〈2〉不法行為法 』

潮見先生の黄色本です。債権各論についてはこの2冊でマスターしましょう。
これも、学部生向けの平易な言葉で書かれている上に、そこまで暑くないので読みやすいです。1章立てなので、全部通読するにも理解しやすいと思います。
不法行為はこれ1冊で良いでしょう。
契約法は、通説に加えて、潮見先生の見解を展開されている部分も散見されますが、それも含めて、面白く読みやすい本になっていると思います。

3 潮見佳男 『プラクティス民法 債権総論』

こちらはプラクティスシリーズで、ケースを使った説明が読みやすいです。
債権総論は分野的にも難しく、読みにくい基本書が多いですが、こちらは厚いものの、ケースもあって、平易な記述がされていると思います。
1と2と同様に、教科書用途で書かれたものですが、主要な学説の対立にもかなり言及されているので、判例・通説に加えて、有力説の勉強まで、この本でいけると思います。

4 佐久間毅 『 民法の基礎1 総則』『民法の基礎2 物権』 

元京大教授の佐久間先生の本。法学部生や法科大学院生を念頭に置いて書かれており、ケースも多用されていることから、読みやすいです。
判例・通説の立場を押さえて書かれているのもよく、総則と物権はこの2冊でいけると思います。
「基礎」というタイトルですが、標準的な内容は網羅しているといえるでしょう。

5 家族法、相続法

法学部生や法科大学院生が読むなら、この2冊が分かりやすいと思います。
もっとも、この分野は、1に挙げた民法(全)をまず読むのが分かりやすいです。

6 担保物権法

担保物権法の中では、有斐閣ストゥディアがわかりやすくて良いと思います。基本はこの一冊で対応できるでしょう。
道垣内先生の本も分かりやすい記載ですが、分野自体難しいので、難しいです。また、判例・通説というよりは、道垣内先生の学説を展開されているところも多く見られます。
この分野は、1に挙げた民法(全)をまず読むのが分かりやすいです。


▼ 終わりに


以上です。
民法は、範囲が広いですが、全分野についてのオススメを選んでみました。
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試験勉強の息抜きにどうぞ。



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