【書評】森鴎外『高瀬舟』
森鴎外作品は、今読んでも、面白いですね。
高瀬舟は、京都の犯罪者を島流しにするための舟で、喜助という弟殺しの罪人が乗ることになります。
それを護送するのが警察官(同心)である、庄兵衛です。
喜助が、牢屋での生活や島流しの生活では、働かずしてご飯をいただくことができ、いかに恵まれているかということを話すのを聞いて、庄兵衛は色々なことを考えます。
庄兵衛の家は、4人の子供と浪費家の奥さん、さらには自分のお母さんがいるという設定のようで、庄兵衛もそれなりに稼いでいるわけですが、喜助のようには満たされていないのです。
現代でも共感できるこの小説は、1時間くらいで読めるので、おすすめです。