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細かすぎる英文契約解説(第4回)〜Shallの誤用〜
はじめに
このような「細かすぎる」解説に興味をもっていただいた読者の方におかれては、英文契約では「Shall」が契約当事者の義務を表す助動詞であることはご承知かと思います。
一方で、以下のような条項も(特に日本人によって書かれた英文契約の多くに)みられるのではないでしょうか。
The payment shall be made within thirty days
(支払いは30日以内になされるものとする)
一見、違和感のない書き振りにもみえます。それは、我々日本人がshall≒「ものとする」と無意識に脳内変換しているからでしょう。しかし、それは誤りです。
この記事では、上記のような典型的な誤用のほか、いくつかのShallの使用にあたって間違いやすい点を解説しています。Shallはあらゆる英文契約書で最も使用頻度の高い単語の一つですので、是非本記事を参考にしてより明快なドラフティングに役立てていただければと幸いです。
なお、本記事は留学中に使用した以下の教科書を参考にしています。
Tina L. Stark, Drafting Contracts: How and Why Lawyers Do What They Do, Second Edition (Aspen Publishing 2014),p183-186.
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