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記事ではなく、そのレイアウト!?比較して見えてくるものは?ー 川崎市立川崎高等学校附属中学校 ー

これも非常に良問だと思います。
現代は、大袈裟に言えば、誰もが簡単に、世界に向けて発信できる時代です。
「新聞」を題材して、「遊んで」いる点が興味深い問題。
今回は書き方ではなく、読み方、もっと言うと読み解き方を伝えてくれている点に特に
興味深さを感じます。
 
同じニュース「ネタ」でも、書き手の立場や考え方によって内容が変わります。そのような、書き手の気持ちまで考えさせる点が非常に深い問題だと感じるのです。
具体的には、メディアの記事は、書かれた意図があることを忘れてはならない、とそんなことを伝えようとしてくれている気がします。
都心部で発信されている大手メディアからの情報がどんどん偏っていっている今、この「メディアリテラシー」を身に付けることは本当に重要なことだと思います。

メディア・リテラシーの磨き方

では、この「メディアリテラシー」はどのように身に付けることが出来るのでしょうか。
それは、今回のように、同じ「ネタ」に関して、他紙を比較するから磨いていくことが出来ます。なぜ、見出しが違うのか、から始まり、記事の中で使われている言葉、強調されているポイントなど、記事を比較すれば違いをどんどん発見することが出来ます。
さらにこの問題は、その記事の載せられている位置からも感じられるように、と教えてくれています。

「ニュース」という言葉に含まれた意味

余談ですが、「『ニュース』がある」と聞いて、「ポジティブな」感情が湧く人はどれくらいでしょう?圧倒的に、ネガティブな感情が瞬時に湧く人が多いのではないでしょうか。
「ニュース」という言葉には本来、「良い」知らせも、「悪い」知らせも含んでいます。しかし、いつの間にか「ニュース」と言えば、「悪い」知らせ、と条件反射的に反応している自分達がいます。
では、なぜそうなったのでしょう?いつ頃からでしょうか。
また、なぜ、テレビのニュース番組で、「スポーツ」ニュースを除いて、圧倒的にネガティブな感情を観る側に与えるものが多いのは何故でしょうか。

話が逸れてしまいましたが、最後の問題で300〜400文字で自分の学校を紹介させようという問題があります。ここでは、普段の学校生活をどう過ごしているのか、どのような観点を持っている受験生か、ポジティブな考えを持っているかを測ろうとしている意図が伝わってきます。(ここで自分の学校に関してネガティブなニュースを書く人はいないと思います。)
 
まとめになりますが、
 「なぜ」ここに配置されているのか?
 「なぜ」この書き方なのか?

こんな「なぜ」を普段から大切にする子どもが求められているように感じます。
 

最後になりますが、なぜ、テーマの軸が同じ2つの課題文が与えられている問題が、公立の一貫校では多いのでしょうか。
自分なりの考えがまとまった時に、また紹介したいと思います。

【今回の素材文】
斎藤孝「新聞力 できる人はこう読んでいる」
深光富士男「毎日新聞社 記事づくりの現場」
朝日新聞 2020年6月23日(火)朝刊
神戸新聞 2020年6月23日(火)朝刊

#中学入試 #これからの教育 #川崎高等学校附属中

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