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「働く」って何だろうか? ー 2021 福山市立福山中学校 ー

教育に非常に力を入れ、いろいろな取り組みが注目されている県の福山市。
哲学的ですが、6年生になったら、「こういうことを考え始めて下さいね」、というようなメッセージではないでしょうか。
谷尻誠氏の「CHANGE 未来を変える、これからの働き方」から。


僕にとっての「働く」は、傍(ハタ)をラクにすること。傍、つまり、まわりのみんなを楽しくすることが、仕事をする目標であり喜びであり、もっとも大きなモチベーションの源です。

笑いって自分の内面からは生まれない

ある時、「人はどうして笑うのか」と考えていて、「笑いって自分の内面からは生まれないものなんだ」と気付いたのがきっかけでした。自分ひとりしかいなかったら笑いは起こらない。周りで楽しいことが起きてみんなが笑っている時、それを見て共有できて初めて自分も笑っている。だから、自分が笑いたかったら、まず人が笑う状況をつくればいい ー そんな発見の延長線上に「ハタをラクにする」という思いが生まれたんです。


深い言葉ですね。よく言われるように、職業に、尊いとかそうじゃないというのはないと思います。どの世界でも、求められるから、それに対して対価が支払われています。
では、「給料の高低は?」という疑問が浮かぶかもしれませんが、例えばプロスポーツ選手の年俸が高いのは、その活躍した瞬間に、影響や元気を与えられる人が多いから、と理解すれば、そんなことは考えなくてよいのではないでしょうか。
 
自分の目の前の人を満足させたり、笑顔にする、これが「働く」の原点。
このことを忘れずに、これから自分の道を決めていって欲しい、というメッセージを感じました。
働くことって何だろう、と考え始める1歩には非常にふさわしい問題だと思います。


自分を支えてくれている身近な人「ハタ」を一番大切にする

そこに1点、専門家として追加しておきたいのがこれから述べる視点です。
「ハタ」をラクにしたいからといって、最も身近な「ハタ」に無理をさせ、彼ら彼女たちが長時間労働などで苦しんでいる現状がこの社会にはあります。
自分一人だけの時なら問題はありませんが、組織を大きくして、多くの「ハタ」をラクにしたいなら、最も身近な「ハタ」を一番大切にすべきだと、長年いろいろな組織を見ることを専門としてきた私の結論です。
身近な「ハタ」を一番大切にすれば、簡単に、大きな影響をどんどん与えられるようになります。
 
最後になりますが、ここの問題では、「これこそ『働く』だな」と感じた例を挙げて答えるように、とあるように、普段の生活の中で、いろいろ動き回り、感じることが重要だよ、と「経験」の重要性も教えてくれています。

【今回の素材文】
 谷尻 誠「CHANGE 未来を変える、これからの働き方」

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