ペットとお別れした話

我が家のペット、
ハムスターのフフとお別れになってしまった。

朝、ケージが開けっ放しになっていて

娘(7)が気づいて名前を呼んでも、ケージをコンコンしてもフフは出てこない。

脱走している。

フフは人懐っこく
名前を呼べば顔をすぐだし

自分で散歩できるボールに入れてあげても
人の足に寄り添ってくるような
子だったので

朝の支度をしながらも「フフー」と呼べば出てくる気がして声をかけながら探した。

私は仕事、娘は学校へ行く時間となり
フフが見つからないまま家を出た。

働きはじめて10分ほどで、夫から着信。

きっとフフのことだ！

と恐る恐る電話に出ると、
悲しそうな声でフフの死を伝えられた。

オーブンの下にあったネズミ取りに
挟まっていたそうだ。

身体の力が抜けるような
何処かに落ちていくような悲しみ。
そして
それを発見した時の夫の気持ちを想像すると
心が潰れそうになった。

家に帰ると、フフは
もう既にカワイイ木箱の中に
コットンを敷き詰められ
その上に寝ていた。

私は中を見るのが怖くて
中々、箱を開けて見てあげられずにいた。

覚悟を決め開けてみると
死んでるなんて、わからないほど
いつもの可愛いフフだった。

唯一全く動かない事だけを除いて。

娘は、どう思うかなと
夫と心配しつつ

息子(1歳)も連れて3人で学校の迎えに行くと、
娘は第一声「フフは？」と聞いてきた。

フフの死を伝えると
夫の胸の中に顔をうずめて泣き出した娘。

家に帰ると、すぐに箱を開けてみて
か細い声で「フフ、かわいそう。」と
またうつむき泣き出した。

皆で相談して、フフはうちの1番大きな植木鉢に木箱ごと埋葬することに。

最後に
お花とフフの食べ物を木箱に一緒に入れて、
皆一人ひとり撫でてお別れを告げた。
「フフ、どんな花が咲くんだろう。」
娘がポツリと言った。フフが花になると思っているのだろうか。
「ヒマワリの種も入れたから、ヒマワリが咲くかもね。」

人相が変わるくらい、しばらく泣いていた娘。

見かねて夫が提案をした。
「新しい子を迎え入れよう。」

私には、それが良い事なのかわからなかった。
でも、娘がそれで少しでも元気づけられるのならば、と思い真剣に娘に聞いた。

「新しく違うハムスターを飼いたい？」
すると、
「フフがいい。
でも、もういないから、
他の子でもいいから飼いたい。」

夫は友人に車を出せるか聞いてみて
2人は2軒回って
一軒目にハムスターがほとんどいなくて
2軒目でたくさん写真を撮って送ってきた。

「2種類いるけれど、グレイの方が
長く生きるらしいよ。」と言われて
娘は「長く生きてほしい。」と
グレイのハムスターを受け入れることに。

夫が帰ってきて
ハムスターの入った小さな箱を
娘に渡すと
娘はとても嬉しそうに受け入れた。

箱をカリカリとする音を聞いて
「フフが来た時と同じだ！」と
すぐに開けたがった。

ここまできているのに
私はまだ心の中で
「フフの方が可愛い。フフがいい。」なんて
フフの死を受け入れられないでいる中

息子が「フフー」と
新しいハムスターの事を呼んだ時に

娘は
「フフはね、いたいいたいして、死んじゃったの。もう、いないの。この子は違う子なんだよ。」と
また悲しい表情になりながらも
弟にしっかり説明して
新しい子をちゃんと迎える気持ちでいて
私なんかよりよっぽど大人だなと思った。

ケージに入れると
「カフッカフッ」という声を出して
娘は「あ〜この子もカフカフ言ってる〜！フフとは少しだけ音が違うね。」と
トイレットペーパーのしんで
トンネルを作ってあげたりして
みるみる元気を取り戻していった。

名前の候補は娘からたくさん出てきた。
私は「ミミちゃんが良い」というと、
「いいね。ミミちゃんでもいいよ。」と
納得してくれたが
オスだと判明し、夫が
「娘ちゃんがさっき言っていたストーミィって名前、僕は好きだよ。」となり

「ストーミィ」が彼の名前となった。

ただ、息子が「ストーミィ」だと「ナミィ」みたいにちゃんと呼べないので「ミミ」はニックネームということにした。

ストーミィは、
ある程度ケージ内を散歩してから
ウィールに乗ってみたり
ウィールの乗り方に少し苦戦していて
ウィールと一緒に回っちゃいそうになったりしていた。
その後しばらく家の中に篭っていた。

娘は
「ストーミィのラストネームをフフにしようかな。フフが、まだ心の中にいるから。」
と言っていた。
寝る前も「とってもとってもとうっても、フフが死んでしまって悲しい。」と言っていた。

でも、「ミミを連れてきてくれてありがとう。」と、夫にもちゃんと伝えていて、
娘は大丈夫だなと思った。

一年と数ヶ月の短い間だったけれど
いつもいつでも
とても可愛らしく私達を癒してくれたフフ。
ありがとう。

夏にヒマワリの花を見れたらいいな。