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空虚な実験

魂の重さは21gとされているが、これも逸話だという。もはや魂なんてものは存在しないとして,そしたら僕のこの意識や感情,記憶はどこにあるのだというんだ!だけど,この意識や感情,記憶がたった21gに内包されていたとしたらそれもそれで悲しいな.海くらいの大きさのかたまり出ないと納得がいかない.それくらい悲しんだり喜んだり苦しんだりしてきたはず.人生は短いというが,その単純な時間では測れないほどの大きな意識の流れを感じてきた.心は海だと信じたい.

誰にも気づかれず独りで泣いてしまったことがあれば,それは君の強さだと背中を押したい.その涙は身体を浄化するなんて言うけど,そこにも立派に感情は入っていて君の一部だ.こうして体の一部を欠損して耐えているんだと思うと涙さえ愛しく思える.星が綺麗かもしれない.涙のせいかもしれない.

破壊したおもちゃの中には小さなリチウムイオン電池が入っていて「お前こんなので全部を動かしていたのか.」と思った.天国なんてない.どこも美しい地獄だ.自然を見たいのは現実逃避,そこが天国なんて言うなら何も見えていないんだ.そこは誰かにとっての地獄だろう.たくさん傷つく感性があるから誰よりも優しくなれるの?レンズ越しに見えた景色は逆さまのほうが都合が良いような気がする.逆立ちをして頭に血がのぼると生きている感覚がする.上昇.電池はすべからくリサイクルさせていただきます.生命のサイクル.

長風呂によって気持ちが悪くなりすぎて死の淵に立った.ここも地獄か.水を飲んで生き返った.水は天国?人間は単純である.合掌.この愚かさがクセになる.冬にこたつでアイスを食べるのも同様.矛盾をはらんでいる.全員を愛することで全員に興味ない.

言葉の羅列を読むことで頭に景色が浮かぶ.僕らはそれを想像力と呼んで愛した.その景色をまた言葉にする.言葉と景色が螺旋のように複雑に絡み合い世界は構築されている.それを嘘と呼んで蔑む人もいる.それで良いと思う.見たいものを見て,見たくないものを見て,知らないものを知って,その中に君の世界があってよかった.人と出会うということは,その人の世界と僕の世界が混じり合うということで,光の三原色のようだ.重なれば重なるほど白に近づいていく.だから君に出会えてよかったのかもしれない.

透明という色は誰にも見えないから可哀想.だから僕は見えているよと伝えて独り占めしたい.もしかしたら泣いているかもしれない.

遠くに見えている星は,その殆どがもう存在がなくなってしまっていてその光が目に届いた時に認識できるのだから,もういないものに美しさを感じてしまっていて本当にどうしようもないな.見えているものだけが全てじゃないとはっきりと気づいた.もう消えてしまった幻想に思いを馳せて,今日もまた息をひそめねむる.


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