シェア
takuma nagashima
2020年5月27日 00:17
「君の言葉は,祈りみたいで美しいな.」四角く白い病室で,僕は風に揺れるカーテンを見ていた.空は澄んでいたが肌寒く,歩く人々は,皆縮こまって足早に歩いている.僕はというと,ここで,千羽鶴を送ってきた頭の悪い連中に悪態を付きながら,自分が買ってきた花に水を上げている.ここは僕の部屋ではない.この部屋には僕以外に君という生命が存在していて,互いに全く別々の鼓動を鳴らしている.君はいつもにこにこ笑って