ボーナスでおち○ちんを切った話
ボーナスって響きは最高だ。僕も今は無職だが、会社員時代にはボーナスを貰っていた。世間にはボーナスなど存在しない企業も多々あるかと思うが、僕はどうしようもないダメ社員だったにも関わらず、企業自体はそこそこの企業だったのでボーナスを貰っていた。ボーナスについて調べるとwikipediaで以下のように定義されているようだ。
なるほど、業績に応じてもらえるので僕が不甲斐なくても大企業だから貰えるわけだ。1年目から自分の活躍に見合わない金額を貰っていたわけだが、一方冷静に自分の実力を正確に把握していたのでボーナスを使う事に後ろめたさがあり、一銭も使う事はなかった。しかし2年目にあることに初めてボーナスを使うことにした。この記事は初めてボーナスを使った時のお話である。
転勤
社会人2年目に子会社へ移動を伴う転勤になった。エンジニアのひよっ子だったので、「子会社へしばらく修業に行ってらっしゃい」とのことだった。会社負担で一人暮らしできることに気分はウキウキだったが、不安もたくさんあった。子会社での研修も終わり実務にアサインされた初夏の休日、いつも通りベットでまとめサイトを見ているとある広告が目に留まった。
某クリニックの広告は、元来仮性HKであった僕の目を離さなかった。
大学の時に初めて彼女ができたのだが、HKだったことを気にして中々積極的になれなかったことがフラッシュバックした。初めてのボーナスを使うとしたらここしかない。すぐにWEBから問い合わせをすることにした。問い合わせをすると一度対面でカウンセリングをすることになりweb予約が完了した。カウンセリングは土曜日の午後。その週の平日は緊張してあまり寝れなかったことを思い出す。
いざクリニックへ
土曜日の13時、緊張した面持ちでN駅のクリニックへ向かう。足取りはやや軽やかと言ったとこだろうか。クリニックはとある雑居ビルの1フロアに居を構えていた。
中に入ると受付は存在せず、「受付を呼んでください」との張り紙がしてあった。「すいませーん。カウンセリングの予約をしていた●●●です。」と大きな声で呼びと、小柄で若作りをしたおじさん医師が登場した。うん、見た目はそこそこ信用はできそうだ。「こちらにお入りください。カウンセリングしましょう。」と言われ診察室に向かう。
診察室に入るとまずはクリニックの説明が丁寧に始まる。その後HKについての説明になると、おもむろに局部の模型が医師の懐から飛び出した。新手のドラえもんか?しかもそれを勢いよく机にペタッと吸盤で張り付けしたので、笑いをこらえるしかなかった。
そしてとうとう患部チェックの時間。15分前に初めて会った成人男性に自分の局部を披露するのって凄い事じゃないか?
多少の羞恥はあったが、勢いよくパンツを下ろします。「突然しゃぶられたりしないよね?」とか馬鹿なことを考えていると、「あーww。これは典型的ですねぇ」と半笑いでニヤニヤしている。なんか嫌な笑顔だなぁ。「でも手術すればすぐに治りますよ!切っていきますか?」と突然の提案。
「よかったら家に泊まってきなよ。」ぐらいのノリで手術を勧められるとは微塵も思っていなかったので躊躇が先に勝ったが、その日は完全にアドレナリンが出ていた。「お願いします!」と二つ返事。妙な男気。突然の手術が決定した。それでも手術が決定すると、数々の疑問が浮かんできた。
これらの質問にも丁寧な回答が返ってきた。30分前にはカウンセリングだけで帰るつもりだった男がこうも変貌してしまったのは、決してアドレナリンだけではなく、医師が信頼に足ると感じたからでもある。
手術開始
すぐに手術の準備が開始され、局部麻酔を受けることに。オペ室に向かうのだが、当然カウンセリングをしてくれた医師一人しかいません。どうやら本当にこの医師一人しかこのクリニックにはいないらしく、看護師なるものは存在しないようであった。そんなことはあり得るのか。医療業界も深刻な人勢不足に違いない。少しの不安感は増したが、今さら後には引けまいとの気持ちで局部麻酔を受ける。ぷちゅん。針が皮膚を貫通する。
局部が見えないように布をして手術が始まるが、自分の皮をカチカチと切る鉄のような音は聞こえる。カッチン、カッチン。全く痛くはないが、自分の皮が切られているという感覚は分かる。
途中で「切った皮見ますw?」という非常識、サイコパス発言はあったが、縫製作業に入ると局部への感覚もなく手術は終了した。ついでにレーザーでぶつぶつを焼いたが、これに関しては半端なく痛かった。太めの針で肌を突かれている感覚が正しいだろうか。若気の至りでピアスを開けた時の耳の痛さを思い出す。手術完了後に自分の局部を見ると包帯でぐるぐる巻きにされていてドラクエのマミーみたいになっていた。歴戦を潜り抜けて帰還した兵士のようだ。
簡単な注意を受ける。⑥って守るのきつくないか?先に言っていてくれよ。と感じたが、医師には感謝の言葉と共にクレジットカードで男の一括払いで支払いを終えた。7万円くらいだっただろうか。
何はともあれ初めてボーナスを使ったこと、今までのコンプレックスを解消したことで気分は有頂天だった。最高だ。しかしこの後の地獄の日々を僕はまだ知らなかった。
地獄の日々
手術後しばらく縫製跡から出血する日々が続いた。マミーがブラッドマミーになっている。そのまま放置しておくと血がパンツに付着してしまうので、勤務時間中に休憩のふりをしてトイレに行き、包帯を変えるという事を何日か続けることに。会社の同僚には「休憩行き過ぎじゃね?」と思われていたことだろう。
また縫製部分は切った部分がくっつくまで吸収糸が縫い付けてある状態であった。この状態でスタンド状態になると何とも言えない激痛が走る。これが一番の地獄であった。自分磨きは我慢できても、スタンドは朝になると生理現象として発生するので、朝方目が覚めることが多々あった。孫悟空が頭の輪っかを罰で締め付けられているイメージが伝わりやすい表現かもしれない。。ちなみにあの輪っかは緊箍児(きんこじ)と言うらしい。
しばらくの痛みとの戦いの後に糸が無事に体内に吸収され、平穏な日々を取り戻すことができた。
最後に
みなさんは初ボーナスを何に使っただろうか?車の頭金?ブランド物?親孝行?この質問は良く飲み会で話題になるトピックだと思うが、僕はHK手術と自信をもって答えている。その場の空気にもよるが、大体めちゃくちゃウケるか、場が凍るかの2択である。そして大爆笑を貰えた時は、めちゃくちゃ良い買い物をしたなぁと心から思う。今後もこの諸刃の剣エピソードを使っていきたい所存である。