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アラフィフの転職活動のリアル⑤

その夏も暑かった。
夏の初めに約7年勤めたパートを辞め、
正社員の就職活動を始めた私、47歳。
その暑さに心身ともにやられそうだった。

1社目の満足できない面接の結果を待つ間に、
私はハローワークで紹介された職能団体の事務職の面接を受けた。
こちらは最初から面接のみ。
指定された場所に着いて挨拶をした後、
一枚の紙を渡された。まずはお読みください、と。
そこには、もし採用された場合に従事する仕事について書かれていた。
結構具体的で、結構厳しい。

1社目と2社目は事務職といえど全く業種が違うのだけれど、
どちらとも最初から具体的な仕事の説明をされた。
そしてどちらとも割と厳しめの説明だった。
最初に厳しいことを前提とされると一瞬ひるむが、
よく考えてみると、楽ですよー、入ってから覚えたらいいからねー
なんて、50近い、それも正社員に応募してくる人間に言うわけがない。
入る前と入った後と全然条件が違う、なんていう会社があるとすれば、
私が受けたこの2社はきちんとしたところなのだと思う。

でも、長いことパート生活をしていると、
初対面でいきなり優しくない言葉をかけられたり、見せられたりすると、情けないが動揺する。
ある一定の期間、責任をあまり感じないポジションで仕事をしていると、責任、管理、などという言葉にはひどく尻込みしてしまうものだと思った。
もちろん、パートにも仕事の責任はあることは当たり前のこととしてだけど、やはり、雇う側としては違うよな、ということを実感した。

さて、2社目の面接に戻る。
お読みください、と言われた紙を読んだ後、
このような仕事の内容に携わる人を募集しているのですが、応募を続けられますか、と聞かれた。
書かれた内容にそれほど違和感が無かったので、はい、と答えた。

以降は、穏やかな面接だった。
途中から、もともと面接をしてくていた役職者のさらに上の立場の人も同席しての面接となった。
2人とも女性だったのだけれど、この、途中から同席された方が、私が新卒で入った会社でとてもお世話になった方に雰囲気が似ていて、なんだかほっとしていた。

1時間ほど話をした後、
それでは結果は1週間後に、とのことで面接は終わった。

1社目と比べてこの会社は月給が低い。
そして、仕事の内容としても、とある出版物を扱う1社目と、職能団体の事務という全くの未経験の2社目では、1社目のほうがどう考えても良かった。
でも、1社目が求めている人材は、人の管理ができる人。
たぶん、採用されないだろう。
そう思っていた。
そして、2社目のあの面接者の方の雰囲気に安心感を覚えた私は、2社目だけでも合格できますように、と思いながら連絡までの日々を過ごした。





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