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人の演奏をよく聴こう。いろんなピアニストさんの弾き方にいっぱい触れるメリット!

私は、自分が今練習している曲と同じ曲を検索し、他のプレーヤーさんの動画を何本も視聴するようにしている。

すると、いろいろな発見、学びができるものだ。
今の時代、多くの人がSNSにいっぱい動画投稿をしてくださっている。
ありがたいことである。
いい時代に生まれたものだ。


「聴き比べ」「傾聴」から得られる恩恵

誰が上手いだとかどうとか、順位をつけるわけではない。
また、そもそも、プレイヤーの魅力は、単純に上下や序列をつけられない。
少なくとも私には。
言い換えれば、どのプレイヤーにも、その人ならではの個性がある。
また、魅力的な弾き方や音もまた、どのプレイヤーの演奏からも、フシギと見つかるものだ。

そこを新鮮に感じ取ろうとするマインドは、大前提として必要。
その上で、聴き比べるということは、役に立つことが多い。

・リズムや音の響き、重なりの違いを知ることができる。
・新しい音や指遣いを覚えよう、という意欲をもらえる。
そして
・自分の演奏を見直すきっかけをもらえる。


例えば
「なるほど、左手のルート音をこうやって下げていくと、気持ちが引き込まれるなぁ」とか。
「え、ここ今、なんの音が入った?」とか。
「ああそうか、左手のベースリズムは、このくらいゆったりの方が、原曲の雰囲気が出るんだなぁ」とか。
「なるほどね、鍵盤をタカタカといっぱい押さえなくても、音を絞り込んだほうがかえってきれいに聞こえるんだなぁ」とか。

・・・といった感じだ。


また、不安を軽減させてもらえる効果もある。

もちろん、聴く側の心の持ちよう次第だけどね。
私のような、技能の未熟な人間にしてみれば、
「あ、なんだ、これだけ音を削っても、曲としてはむしろ引き立つよね」
と、時には、ちょっと安心させてもらえたりもする。
それが、不安を軽くしてくれたり、自分の意欲や自信を支えてくれたりもする。
要は、受け手のとらえかた次第だ。
逆に、「あの人は上手いから・・・」といちいち比較して、自信を失うような聞き方で終わっちゃうのは、あまりオススメはできない。

しかも、耳で聞くだけなら、家事をやりながらでもできる。タイパもいい。

手指を休めることは、いつも繰り返すが、本当に大事だ。
そういう時間も、有効活用できる。
「よく聴く」のも練習のうちだ。私はそう考える。


では次。
自分流の、聞き方の方法について。

聞き方の例1・・・基軸となる音を感じ取る

技法を真似することには限界がある。
私のような素人が、指がよく動くプロのような方にいくら憧れても、今日明日でその演奏技術をそっくり真似することは、ちょっと無理だ。すぐには。

しかし、音楽において、音色や重なりといった要素など、素人の私でさえも、すぐに次の演奏のヒントに活かせるものも多い。

特に、基軸となっている音だ。

ある瞬間において、どんなに装飾音が多くても、よく響いてくる音、基軸となる音は、ある程度限られてくる。
コード進行のパターンそのものが全く異質な場合でも、同様だ。
そこに重点を置いて傾聴するだけでも、いろんなことが発見できる。


聞き方の例2・・・部分で切り取ったり、通しで聴いたりする。


絵画で例えるなら、「部分の色使い」と「全体の雰囲気」の違いだ。

例えば、部分的に切り取って「ああきれいだな、オシャレだな」と感じ取れても、
前後あるいは、曲全体の通しで聴くと、
「あれ?飾りすぎかな?あわただしいかな?」と聞こえる場合もある。
全体と部分のバランス。
部分にこだわりがちになっちゃう時こそ、一歩引いて、全体を見直す。

もちろん、だからと言って、ディテールを否定しているわけではない。
ディテールにこだわって「ちょっとやりすぎかな」的なオシャレなコードを覚えておくと、思わぬところで、「たった一つの音」が「隠し味スパイス」として生きてくる場合がある。
実はそういうテクニックこそ、登場回数こそ少ないが、曲全体のいろどりをグッと引き立てている場合が多い。いわば「陰の立役者」だ。

私たち素人は、とかくそういうものを何気なく聞き流してしまいがちだ。
「理由はわかんないけど、なんとなくいいよね」って曖昧な解釈で終わっちゃう。
だから、小さな音の工夫にも、耳を傾けていくことは、ないがしろにはできない。
ディテールに傾聴することもまた、それはそれで有意義なことだ。


まとめ

繰り返しになるが、「聴く」経験って、本当に大事だ。
相手の技能の問題じゃない。巧拙の問題でもない。
聞き手としての自分の耳を、音感やセンスを、敏感にし、鍛えることだ。
「弾く時間」並に、「聴く時間」を、もっと大事にしたいなと思う。。

2024.9.3

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