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【アジャイル】これこれ仕事から思うこと(第一章)

市谷氏の「これまでの仕事 これからの仕事」(略して「これこれ仕事」)を読んで思ったこと・感じたことを何回かに分けて書いていこうと思います。

「数字だけ」から「こうありたい」へ

数字は大事です。ほとんどの場合、部署や部門の評価は数字になっています。評価としても分かりやすいですからね。
これについてはKPIツリーでトップから各部署で数字を出して積み上げていたりもしますが、営業部門ならまだしも明確に売上や利益を直接語れない部署で出てくる数字にはいつも頭に疑問符が浮かぶ事も多いです。

〇〇の施策を△件、××の活用度□%など、おそらくマネジャー陣が集まって長時間色々コネコネした結果出てくるものですが、正直それで何が変わるのかなかなか理解できませし、そもそもその数字がどのようなロジックで出てきたか?もあまり説明されることはないです。

学びを得て組織の成長を収穫とせよ

目標の数字を達成することの意味について考え直さなければなりません。もちろん変化が少なく不確実性が少ない事業ではある程度数字の見込みは立ちます。その場合はその数字に向かって目標を達成して成果にしていくことは重要です。

しかし今や何が正解か?を言い当てるのは難しく、探索活動により選択肢を増やし、その中から仮説を作って検証することで分かることを増やし確度を上げていくような事業やサービスの場合は数字を追っても仕方ありません。
組織にとって何を学びにするか、それにより何を得たかというのが大事になってきます。

先日もある組織の部長クラスからの依頼でチームとして組織のアジャイル化を支援しました。なかなか時間も合わず難しいところもあったようですが、組織の方向性を合わせたり改善アクションを出したりとそれなりに進んでいた印象です。

それでもその部長さんからはそのアジャイル活動をして「何が成果になったか、はっきり言えない…」と仰ってました。しかし私からしたら組織のアジャイル化に取り組んだ、そして組織内で対話が生まれて活発な議論と改善アクションが生まれただけでも成果と感じています。成果を重く捉えすぎている感じはします。

事業成果も勿論大事ですが、アジャイルな動きには成長成果も大事なのです。

自分たちの芯を捉える

また、どうしても組織の向かう目的が曖昧にありがちです。自分たちがこうありたいという姿が見いだせていない組織も多いです。

最近、私のチームに依頼の来る支援でも、支援を求めている組織が自分たちが何者か分からない、これまでやってきたけどこれからどうしてよいか分からない、上から方針が落ちてきたが腹に落ちないので自分たちで解釈し直したいという相談が増えてきています。これはこの本にもあるように、組織の中に「芯」がないからこそ、目的を見失い、その目的を実現するための道筋(手段やその手段の実現方法、アウトプット)も見いだせなくなってしまいます。

そして目的や手段などの共通認識がチームや組織内で取れてない事も多いです。そもそも対話があまりされていないため言語化されていません。何度か話す場を設けてみるとおのおのがそれぞれの異なることを言っていたりします。
しかしそうやって話すことで互いのギャップが明らかになるだけでも進歩と呼べます。(それまではそれすら語られてなかったわけですし)

芯を捉えるためにゴールデンサークルを用いようということが本には書かれています。そしてそれは今自分自身がどこにいるのか?のFromのサークルと、向かいたいToのサークルを書き、そのギャップを捉え、そのギャップをどう埋めていくかを考えていくというアプローチです。

ゴールデンサークルで芯を捉える方法として面白いなと思ったアプローチは、「取りたいHOWから考えてWHYを捉え直す」というものです。普通に考えればWHYが先になるのですが、WHY自体を見失っている人にWHYを考えるのは難しいものです。

そして組織やチームにはある程度制約が設けられています。その制約は事業領域であったり、持っているアセットや技術だったりします。AIを使うや持っているプラットフォームを使うとかは手段ではありますが、それを使って事業やサービスを行うことが決まっているところもあるでしょう。あえてHOWから考えることで、そこから自分たちがこうありたい!を改めて問い直すというのも一つの手ではあります。むしろ日本の企業、特に製造業はHOWから辿るということの方がやりやすいかもしれません。

もちろん作ってみて何度も問い直す(むきなおる)のも大事です。ゴールデンサークルのWHY-HOW-WHATを往き来し、対話し続けることで芯の解像度は高まっていくのではないでしょうか。

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