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【アジャイル】戻っているのではない、進んでいるのだ

学びと気づきがあれば、それは戻っているのではない。

撤退ややり直しを嫌う文化

日本自体もそうですし、それは長年倒れずに事業をしている企業にも言えるのですが、撤退ややり直しというのを極端に嫌う雰囲気を感じます。
ニュースにもなったH3ロケットが最近本当に失敗しましたが(これも私は悪く言うつもりはないです、その前の打ち上げ中止を「失敗」と言ったり、上手く行かないと分かっているものを意地やプライドで続けて赤字をたれ流したり、何かとチャレンジを揶揄したり鼻で笑う雰囲気は私の価値観に合いません。

誰もまだやっていない、上手くいってない領域にチャレンジするには「探索」が必要で、探索して未開拓な地を進むうちに「そこには何もなかった」「進んでも危険があるだけだ」と分かった時点で戻ることは正しい判断です。

正しい「戻る」は、「進んでいる」

ただ、大事なのは同じ失敗をしないこと。そのために何のための探索か?何を分かるようにしたいのか?という探索の意義と目的、何をもって次に行くか、一旦戻って立て直すかを判断できる仮説の設定と検証を定める必要があります。

仮説と違えば何が違ったのか?また違う仮説を立てて再度探索をするのか?そもそもどこまで掘っても何も出てこない(もしくは勝ち目がない)からもっと前段にある、狙う市場やそもそものプロジェクトの意義から見直すのか?…
仮説検証を行う中で何を学びにし、実際動く中で何を新たに気づけたかというものが分かるからこそ、次に行くか戻るかという次の作戦や行動に移せる判断をすることができるわけです。

よって、次の動きができること、それは「進む」も「戻る」も動けるということが大事であり、学びを得た「戻る」は実質「進んでいる」と言っても問題ないと私は思います。

「逃げる」と「戻る」は違う

最近、人に薦められて観始めたのが「機動戦士ガンダム 水星の魔女」です。
このアニメの主人公、スレッタ・マーキュリーがお母さんから教わった言葉がとても印象的でした。

逃げたら一つ、進めば二つ

逃げたら一つしか得られないが、進めば二つ得られる…面白いのは逃げても一つは得られるというのです。
そしてここで言ってる「逃げる」は、何も考えずに逃げているのではなく、自分の中で逃げた方が良い選択であるという思考を経て、逃げている話だと私は理解しています。一度自分として立ち止まれるところに「戻る」というイメージです。

意識して「戻る」ことは「(本当の意味での)逃げる」ことではありません。場所や状態は戻っているのかもしれませんが、確実に自分やチームが知っていること、分かっていること、学んでいることは増えています。

それができるのがアジャイルな動き方です。今の時代のように変化に富む時代、何が答えか分からない時代に新しいことをするには、戻ることも学びであり、進むこと。過去の先人達が学んでくれた、その価値観やプラクティスが詰まっているのがアジャイルだと確信しています。

365日(1年間)連続投稿まで、あと1日!これまでをまとめます。


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