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【仕事】ChatGPTが仮説構築の壁打ち相手になるかどうか

ちょっと流行り過ぎてて、いつかガッカリ期が来そうですが。(既に来てる?)

ChatGPTとは?

この記事を何かしらで目にして読まれている人はもはやこれが何かを知っている人だと思いますが…

ChatGPTは、OpenAIが開発した大規模言語モデルの一つで、自然言語処理の分野において、さまざまなタスクを実行するために訓練されたAIです。

ChatGPTは、自然言語の理解や生成において、非常に高い精度を発揮します。例えば、チャットボットとして人間との自然な対話を行ったり、文章を生成したりすることができます。

ChatGPTは、Webサービスやアプリケーションなどのさまざまな場面で活用されており、人々の生活を豊かにする技術の一つとして注目されています。

また、OpenAIはChatGPTの技術を開発者に提供するAPIを提供しており、多くの企業や開発者がこの技術を活用しています。

ChatGPTにChatGPTとは何か?を質問した答え

…とのことです。実はこの説明文もChatGPTに…

ChatGPTとは何か?をnoteというブログサービスで書きたく、初見の人に端的にわかりやすく説明できるような文章を書いてください

…と質問した結果をそのまま記載しています。

まあ、何となく正しいらしい回答にはなっていますが、これで初見の人に対して分かりやすいかどうかはまだまだかなと思います。

そういえば、noteでも記事作成の支援にAIアシスタントのβ版がリリースされていましたが、これも中身はChatGPTでも使われているGPT-3の技術を活用しているようです。

ChatGPTを事業仮説構築の「壁打ち相手」にする

私は仕事柄、事業部の新規事業や新サービスを検討するときの価値創造活動で必要となる仮説構築と検証の支援をしていますが、仮説を作ってもらってそれをレビューし、仮説を固めていくプロセスはなかなか時間も労力もかかります。

この仮説を固めていくプロセスで、誰か(多くは事業開発の支援をするメンター)と対話することで気づきを得たり、言語化を助けることを「壁打ち」といいます。一人でウンウン悩んでいても良い仮説は書けません。なのでメンターという役割が必要なのですが、これをChatGPTが多少は担えないかなと思ったのです。

実際試すときに入れるアイディアなどは会社のプロジェクトに関わるものは入れていません。データとして食われて学習されるのはちょっとマズイので思いつきレベルですが仮想のプロジェクトでやってみました。

Q:新しい事業を提案するための、仮説構築をしたいのですが、壁打ち相手になっていただけませんか?

A:もちろん、壁打ち相手になります。新しい事業を提案する前に、仮説構築は非常に重要なステップです。以下に、仮説構築のプロセスを簡単にまとめましたので、ご参考ください。

問題を明確化する
まず、提案したい事業が解決しようとしている問題を明確化する必要があります。問題が明確になると、それに対する仮説を構築することが容易になります。

原因を分析する
問題が発生している原因を特定し、その原因に対する仮説を構築します。原因を特定することで、提案したい事業がどのように解決策になるのかを明確にすることができます。

解決策を検討する
原因を分析した後、問題を解決するための解決策を考えます。この時、複数の解決策を考えることが大切です。

仮説を検証する
仮説を検証するために、市場調査やユーザーインタビュー、実験などを行います。この時、仮説が正しいかどうかを確認するために、データを収集することが重要です。

以上が、仮説構築のプロセスになります。もし、このプロセスについて詳しく話し合いたいという場合は、いつでもおっしゃってください。

おお、なんか進め方の段取りとしては間違っては無さそうです。
ただざっと進め方についてまとまったことを言ってるだけなので、もう少し壁打ち相手になってもらうために寄り添ってもらうことにします。

Q:ヘルスケア分野の新サービスを提案したいので、その仮説構築をしたい。

A:素晴らしいアイデアですね。ヘルスケア分野は、ますます需要が高まっており、機会も多くある分野の一つです。以下に、仮説構築に役立ついくつかの質問を用意しましたので、ぜひ回答いただき、より深い仮説構築につなげていただければと思います。

どのような問題があると思いますか?
ヘルスケア分野には、どのような問題があると思いますか?例えば、患者が医療サービスを受けるのに時間がかかりすぎる、医療費が高すぎる、病院の混雑が問題になっている、などの問題があるかもしれません。具体的な問題を明確にすることで、提供するサービスがどのような問題を解決するかを明確にすることができます。

どのようなユーザーが対象となりますか?
提供するサービスを利用するのは、どのようなユーザー層になると考えていますか?例えば、高齢者、子育て中の親、若者、スポーツ選手など、様々なユーザー層が考えられます。ユーザー層を明確にすることで、サービスの提供方法や価格設定について考えることができます。

どのようなサービスを提供したいと考えていますか?
どのようなサービスを提供したいと考えていますか?例えば、オンライン診療、医療機関との予約連携、在宅医療サービスなど、様々なサービスがあります。提供するサービスを明確にすることで、必要なシステムや人員、予算などを把握することができます。

なぜこのサービスが必要だと思いますか?
提供するサービスがなぜ必要だと考えていますか?例えば、病院に行く時間がない人がオンライン診療で診察を受けることができる、病院に行く前に自宅で簡単な検査ができることで、診察までの時間を短縮できる、などのメリットがあるかもしれませ

素晴らしいと褒められました(笑)。あと最後何故か尻切れになってしまいました。ブラウザによるのかもしれません。(私はMacのSafariでした)
そこそこ取っ掛かりの切り口を例として挙げてくれているので、ここから発想を経て、次の質問をしていけそうだなと思いました。

次に自分が考えたヘルスケア分野での問題の仮説をChatGPTに投げ込んでみました。内容は本当1〜2分で思いつきで書いたものなので、全然突き詰めていません。

Q:高齢者が今後増えたときに、病院が対応する人数が増えそうなことと、ITで効率化しようとしても受け入れられない可能性があり、業務の改善が進まずに病院の業務が逼迫するという問題が出てくるのではないかと仮説を置いてみました。

A:ありがとうございます。仮説の内容が明確になりましたね。

以下に、壁打ちのためのいくつかの質問を用意しましたので、お答えいただけるとより洗練された仮説に近づけるかもしれません。

1.高齢者が増えることで、病院が対応する人数が増えると考えた理由は何ですか?高齢者が増えることで、どのような影響が出ると考えていますか?

2.ITで業務を効率化しようとすると受け入れられない可能性があると考えた理由は何ですか?どのようなITツールやシステムを導入することで、受け入れられない可能性があると考えていますか?また、その理由は何ですか?

3.業務の改善が進まずに病院の業務が逼迫するという問題が出てくると考えた理由は何ですか?どのような業務改善をする必要があると考えていますか?また、業務改善が進まない理由は何だと思われますか?

上記の質問にご回答いただくことで、仮説がより具体的になり、改善策を見出すためのヒントが得られるかもしれません。

うっ…なかなか鋭く突っ込まれました。
仮説構築する場合にありがちなのは抽象的で曖昧な表現で言語化してしまうこと。そうなってしまうと問題の本質が見えません。確かに今の私の仮説は曖昧な感じはしました。

続けて、1の問題の明確化のところをさらに投げ込んでみました。

Q:1について。高齢者が増えると一人ひとり素早く動けるわけでもなく病状説明なども医者の説明の理解もしにくくなります。そうすると一人あたりの受診時間が多くなり、一日に対応できる人数が減ります。病院の数はいきなり増えないでしょうし、受ける病院数や医師の数に対して高齢者の数は今後増えてくると考えています。

A:なるほど、高齢者が増えることで、一人あたりの受診時間が増加するため、一日に対応できる人数が減少することが考えられますね。また、病院の数が増えない場合、医師の数に対して受診者数が増えると、医師一人あたりの対応時間も増加し、病院全体の対応人数にも影響が出るかもしれません。

2については、IT化によって、医師や看護師が受診者に対しての直接的なコミュニケーションが減ることで、受け入れられない可能性があると考えられます。また、ITツールやシステムが医療従事者の業務にマッチしていない場合や、従来の紙ベースの業務フローに慣れ親しんでいる医療従事者にとって、IT化に対する抵抗感がある可能性も考えられます。

3については、業務改善が進まずに病院の業務が逼迫する可能性がある理由としては、業務改善に必要な人員や予算が確保されないことが考えられます。また、業務改善に伴う新たな手続きやシステムの導入に対して、医療従事者が十分なトレーニングを受けられず、スムーズな導入ができないことも考えられます。

以上のような問題があるため、新しいヘルスケア分野のサービスが求められていると仮定することができます。

1の問題については何か突っ込まれるわけではなく、言い換えて言い直しをしてくれた感じですね。仮説なので真っ向否定されるわけではなく、一旦受け入れた感じになってます。
2、3について私は言及しなかったですが、1の仮説を元に2、3の問題について新たな切り口のアイディアを出してくれました。この切り口でもう少しリサーチをかけてみると、まだ発見できていない問題をあぶり出せるかもしれません。

一旦ここまでにしました。

ある程度は使えそう。アイディアの切り口にはなる

AIだと分かっていても、口調が優しく、「素晴らしいですね」「なるほど」という言葉を添えてくれて真摯に壁打ち相手として応えてくれているように感じられます。

下手すると、人間相手とチャットしているより寄り添ってくれて、気持ち良く相談でき、自分の考えが進む可能性もあります。コーチングやメンタリングで必要なオープンでフラットな関係性がAIでも作れている感じがします。
むしろ人間じゃないから変な思い込みやバイアスをかけられてない感じがします。まあ実際はAIでもデータの食わせ方に寄るので、どうかわかりませんけど。

全ての仮説構築と検証活動にChatGPTが使えるかどうかわかりませんが、最初の取っ掛かりのところはこれで支援できそうです。
ただ、ちょっと色々アドバイスというか、アイディアのインプットが多めな気もしますので、あまりやり過ぎてしまうと事業開発するビジネスプロデューサーが育たないなんて問題もあるかもしれません。

あとは人間側は質問をするので、質問力も関係してきそうです。いかに良い質問ができるか?上手く質問できる人が多いのかというとそこまで多くないのではないかと(答えを追求するのが得意な人は多い)。ここも慣れや地頭にかなり影響が出そうな気がします。

ともかく、ChatGPTにはワクワクさせられます。ブレイクスルーには間違いなくなりそうです。Microsoftも検索エンジンBingにChatGPTを組み込むことで、検索分野No.1のGoogleの牙城を壊そうとしてますし、壊せる可能性があります。

反面、期待外れのところも多かったり、脅威に感じられて既に規制も入りつつあります。今はブームな感じなので、暫くしてガッカリ期が来て、また何年か後にさらにパワーアップして還ってきて、ChatGPTが当たり前になる時代が来るのはそこまで遠い未来では無いかなと感じています。


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