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【仕事】「判断しない」だけ

敵や抵抗勢力ではない、ただ、判断しようがないから「しない」だけだ。

良いか悪いか、もわからない

自分もそうなのですが、仕事として新規系の事業に携わっていたり、最近だとDX(デジタル・トランスフォーメーション)のような社内の変革という文脈のことをやっていると、それがすんなりと進むことは皆無です。

この手の話、世の中のネット記事や書籍で見ると、だいたいは「既存の既得権益を乱されたくない反対勢力」との構図を示されることが多いです。

確かに既存に関わる人、というか人間自体が安定を求めるのが普通ですし、危機感・切迫感というものを骨身まで感じない限り、何故変わらなければならないか?も必要に迫られてないので理解できません。

変わるためには、「変わる!」と思えるような判断が自分の中でされなければなりませんが、そもそもそれを判断できるだけの情報も自分で集める気もあまりないでしょうし、他から持ってこられても、先に書いたように自分に必要が迫られてない限り、必要だと判断ができません。

つまり、結局は反対とか抵抗勢力とかラベル付けしたところで解決しないのは、それが本質的な問題なのではなく、判断しようがない・分からないという点が大きいのです。

分からないなりに判断するのがリーダーだが…

これは私の持論なので、他の人に当てはまるかどうかはわかりませんが、リーダーやマネジャーとなり、人を率いていく立場の人は、分からないなりにそれまでの経験や自分の持つ情報、自分のネットワークを活用して、100%分からなくても判断を下すのが責任です。

しかし、過去の上司にも何人かいましたが、部下から与えられる情報が不足をしているという理由だったり(これはどこまで持っていけば良いかも当然示されない。分からないから)、自分より上の立場に人に自分が説明できない、上の人達もあまりややこしい話はしたくないというのを感じ取っていたりして、大きな変化を生み出すことはしたがりません。

その場合、ズルいことに、明確に反対をするのではなく、「判断しない」「決めない」「保留」という手をとります。
正直、まだ反対して止めると明確に命令されるほうがマシですし、反対している理由が明確なら、まだひっくり返すための手は打ちようがあります。

しかし、理由を曖昧にして、「判断しない」はなかなか不毛な戦いになります。しかも追加で欲しい情報や調整を聞いても、それも曖昧ですし、どこまで詰めればOKなのか、も示さないので、後出しジャンケンで増えていったり、言うことが変わります。

タチが悪いのはずっと決めないくせに、良い活動だねー、良い提案だねー、いつかやりたいねー、とうわべだけは賞賛するというスタイルを取ったりする人もいます。

何故判断しないのか

判断できない・判断しないとなる要因は、組織として最適化してしまったからというところが大きいです。

最適化というのは、既存事業においてコストを最小化し、生産性を最大化するためのやり方やプロセスが整いきってしまった状態です。ある決まった事業領域で決まった顧客層に対して商売をするなら、最適化することは当然であり、自然とそうなっていきます。

しかし、世の中や市場は変わります。最適化しきった組織はルーティーンを回すことは得意ですが、変化には弱いです。変化するためには、これまでの正解としていた最適化の中を崩す部分があり、それが本当に大丈夫かどうかを長い時間と多くの人と割いて行い、リスクを最小化します。

よって、変化の入ること、つまりそのための判断というのは、しない方が最適化された組織では安定な状態なのです。(都度判断しなくて良いようにするために最適化されているわけで)

ちょっとずつ変わる、分かるところから変わる

しかしずっと変わらなくて済むわけではありません。
会社も組織も生き物であり、世の中や市場が変わればいつか必要とされなくなるときがあります。
そのまま同じ事を繰り返していても発展はありません

どこかの会社に買収されたり、倒産寸前だったり、経営陣が大きく刷新されるという大きな要因があればトップダウン的にドラスティックに変われるかもしれませんが、それを待つよりも先ず動き出すことが大事です。

ちょっとずつ変わるために、まずちょっとでも分かる部分を増やしていくことが大事です。なので周りや上司が判断しない・判断できない状態でもまず自分が変わってみる、分からなかったところを分かるようにして、それを少しずつでも周りに伝えていく。分かるところが増えてくれば、判断もできるようになってくるでしょう。

先ず一歩目としては、このような地道な活動が基本中の基本として必要です。地道に進め、周りに共感者・理解者・味方を少しずつ増やしながら、大きな流れを作っていくことが大事なのです。

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