マルセル・デュシャンについて① - 最初は何も理解できなかった
「アートってちょっと親しみづらい。特に、20世紀以降の近代・現代アートはよくわからない...」
こういう人が多いと思うし、自分も生きてきて20数年間はそうだった。もはやゴミに見えるものも多いし、写実じゃないから何が描かれているのかもわからない。なのに、今はアートの魅力がわかる。アートという世界がどれだけ自分を救ってくれたかも。だから、今日はアートがちょっとでも親しみやすくなるように、ちょっとエッセイ風に書いてみる。
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私は、マルセル・デュシャンに憧れる。すごく憧れる。でも、最初は画集をみても、頭を抱えるだけだった。だって、カゴに何かごちゃごちゃしたものが入っただけだったり、もはや"トイレ"が作品だったりするから。これを作品を呼べるの?って。(図1・2参照)
マルセル・デュシャン(1887〜1968):フランス生まれの美術家。20世紀美術に決定的な影響を残した。画家として出発したが、油彩画の制作は1910年代前半に放棄した。チェスの名手としても知られた。ローズ・セラヴィという名義を使ったこともある。1955年、アメリカ国籍を取得した。(Wikipediaより引用)
▲図1:ローズ・セラヴィよ、なぜくしゃみをしない?
知人から「妹の誕生日に」との依頼で、作成されたオブジェクト。妹にあげたところ気に入らず、返されたらしい。
▲図2:泉
男性用便器に「R.MUTT」という名前が書いてある。この"マットさん"としてデュシャンが展示会に出品したが、不道徳と判断され、展示されなかった。代表的なデュシャン作品。
見ても、斬新さは伝わってくるけど、「え?」というリアクションしかできない...。次に、「なぜ、こんなのがいいの?」「なんでこんな無駄なものを作ったの?」「もはや自分で作って(描いて)ないやん。」と思ったりする。疑問しかないので、じゃあ画集から正解を探そうと思っても、「このようなコンセプトで、彼はこの作品を制作しました」という納得感のある解説は書かれていない。
そしてまた、作品の写真を眺めては、口を開けたまま、首を傾げる...。
自分の友達はデュシャンの素晴らしさを何時間でも力説するけど、自分のリアクションは最初はこんな感じだった。何もわかりまへん!という。
だけど、これが好きになって、もはやこういうアートの世界こそが、自分の居場所のような気がしてくることがあるんだね、人間は。
次回をお楽しみに。(勝手に連載してるライター気分笑。)
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