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何時何分何秒地球が何回周ったとき

久しぶりにゼミ生と飲みまくってたら風邪ひいた。あげくに強めの眠剤を飲んだのに7時間一睡もできなかった最悪の夜が明け、完全にパキッた状態でこれを書いている。
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日本人は大域的な情報から順次詳細を述べることが多い。住所(愛知県名古屋市天白区塩釜口1-501名城大学天白キャンパス)、あるいは所属(名城大学経営学部経営学科准教授)なんかが代表例。海外では住所でも所属でも真逆の順になることはざらにある。これは、日本がその人自身よりも所属を重視する社会だからだろうと思う。

そんなことを考えていたところ、昔漠然とした違和感を抱いていたことを20年以上ぶりに何の前触れもなく(正しくはパキッていてシナプス結合がイカれているからかもしれないが)思い出した。小学生時代、友人たちとの会話のなかである発言を言った言わないの押し問答になると、僕ら平成初期の子供たちは決まって「何時何分何秒地球が何回周ったとき~?」などと嫌味ったらしく訊いたものだった。

ただ、その質問には常々不思議なものを感じていた(だからこそ僕の記憶が正しければ僕自身はこの質問を使ったことはほとんどないはずなのだが)。もちろん、過去の発言の正確な時間を訊いてどうするつもりなのかとか、あるいはいつを基準とした地球の自転(あるいは公転なのだろうか)の回数を問うているのかとか、単純に突っ込みどころはいくらでもあったのだが、僕が気になっていたのはそういうことではなかった。

繰り返すが、日本人は情報を大域的な順に問い、述べる。普通に考えると、西暦の年数から秒数までが把握できていれば、地球が何回回ったときなのかは(どこかしらその当人の基準を元に)逆算することが可能なはずである。つまり、自転回数と発言日時は相互に変換可能な変数なのである。

明らかにほとんど同じ情報しかもたない質問を2つ繰り返している。それも、大域性を逆にして。わざわざ地球が何回回ったときなのかを問うくらいだからそれを元にせいぜい日付ぐらいは算出できる計算式みたいなものは持っているとすると、ではいよいよ片方の情報のみで済むことになる。

ぼくはそれに強い違和感を抱いており、その時点で仮説は2つに絞られていた。

第一に、もしかしてこの人はそもそも本日の日付がわからず、それを地球誕生時を基準とした自転回数から逆算するつもりなのではないか、ということ。当時からそう思っていたこととして、少なくとも整数型の自転回数から正確な日時を取り出すことは不可能なのだ。それを元にいま考えてみれば、質問の"大域性"みたいなことを鑑みて質問者にとって最も詳細な情報になるのはfloat32ぐらいの自転回数とかになっていて、それを拠り所に日時を含むあらゆる時間的概念を取り出していたという可能性がある。僕の友人は創造主かなにかだったのかもしれない。


第二には、発言の日時をより精緻に取得するため、日時と自転回数の2変数から検証するつもりなのではないか、ということ。当時は今のように手軽に録音できるような時代ではなかったので、仮に発言日時を提示されたとて、それが正しいという保証はどこにもない。だから補足的資料として自転回数を提出させたという可能性がある。これは現代でいえば、ログインにあたってのTwo-Factor Authentication(2要素認証: PCでログインするのにスマホSMSで認証するとか)に近い。ただこの場合、僕を含む一般の人間は日時と地球の自転回数の関係性を把握できてはいないので、結局のところ日時から自転回数を何かしらのプログラムにより算出して伝えることになる。こうなるとあまり意味がない。iPad上のYouTubeアプリでGoogleにログインするのに、結局iPad上のGmailに通知が飛んでログインが完了するのと同じことが起き、つまるところ検証の精度は一切向上しない。

僕は小学生の頃からこんなことばかり考えていたのだろうか?
少なくとも、周りの誰よりもデジモンとパソコンが大好きな少年であったことだけは疑いようもない事実である。


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