官舎の駐車場で遊ぶ行為の危険性と覚悟
官舎の駐車場で遊んでいる子供が多すぎです。コロナ禍で遊びの場が奪われてることは理解できます。
先日駐車場の地面に子供が落書きし、車の直ぐ側まで落書きされていました。相手の親御さんと話をしてると少しですが、話が噛み合わない部分がありました。「子供がやったことなので大目に…」「遊ばせなければいいんでしょ」というところで思考が停止してる気がしました。
「ちゃうねんちゃうねん。論点はそこじゃないんや」と元指導員は考えていました。そこで今回は、元教習所の指導員目線から官舎の駐車場で遊ぶ行為はどのようなリスクがあるのかについてまとめます。
なお、私の近隣トラブルは既に解決をしており、相手を個人攻撃するものではありません。官舎の駐車場で遊ぶ子供はどこでもおられるようなので、ちょっと知って欲しいという気持ちから書いております。
子供が事故に巻き込まれる可能性
最初に親御さんが考えることではないでしょうか。飛び出して事故するのが一番有名ですが、他にも車の死角に入ってしまい運転手が気づかずに発進してしまうことなども考えられます。
死角の話をすると、教習車タイプ(長さ5m)の場合、車の前方は4mの死角、後方は12mの死角があります。横は運転席側が1mの死角、助手席側は4mの死角があります(身長が低い場合や車種によっては死角は更に増える場合もあります)
私が経験したトラブルでは、住人の車の周辺で落書きをしていましたが、もし運転手が気づかずに車に乗っていた場合、確実に轢かれています。
もちろん、運転者側も乗車する時に周囲の確認(教習の時にやった周囲の確認)をする必要はあります。しかし、子供の命を危険に晒してまで車のそばで遊びたいですか?という話です。
他人の財産を傷ものにする可能性
車の周囲で遊ぶことで車に傷をつけてしまう可能性も考えられます。それこそ金銭が絡んでくるので、ごめんなさいでは済まない問題に発展する可能性が高いです。少なくとも、私は確実にごめんなさいで済まさないです。
車はただの移動手段と考える方にとっては車の多少の傷は、気にならないのかもしれません。ただ、中には車は財産であったり、宝物だと考える人もいます。私は断然後者です。
何か思い入れのある車、外車、国産のグレードの高い車、洗車をよくしていてピカピカの車に乗っている人などは「車は財産、宝物派」の人が多いのではないでしょうか。
では具体的に車に傷がついた場合の例を見ていきます。以下、イエローハットの修理相場のホームページからの引用です。
小さめの線キズでほぼ5万です。ディーラーで修理すれば更に高額になるでしょうし、車種によっても金額は異なります。また、一部の傷の範囲が大きければ更に金額はあがるでしょう。
車の周辺で子供を遊ばせている方。あなたは相手の車の傷を弁償する覚悟がありますか?官舎なのだから同じ仕事していて、お互いの給料はだいたい想像がつくはずです。修理の負担は安いものではありません。
誰かの仕事を奪う可能性
私の官舎でよくある話ですが、車の隙間から子供が飛び出してきたり、階段から車の方にダッシュする子供がいます。最初に子供が事故に巻き込まれる可能性について話をしましたので今回は車側の話をします。
子供が飛び出してくる可能性は住人であればどこから子供が飛び出してくるか考えているかもしれません。
しかし、時折訪れる業者の車、トラックの方はどうでしょうか。もちろんプロなので意識はしていると思います。もし、特殊な場所から出てきたら、対処できないかもしれません。
教習所で働いていると、免許再取得の方も結構いました。理由は様々ですが、中には大型トラックやバスの免許を取得していたのに全てを失った方もおられます。
持ってる免許の種類にもよりますが、大型トラックやバスの免許は40万〜50万円する場合もあります。今普通車をMTで取得しようとするだけでも30万近く必要です。再度免許取得するのに莫大な費用がかかるだけでなく、職業運転の方であれば、職を失ってさらに痛手を被るかもしれません。
これは官舎に住んでいる自衛官も例外ではありません。公務員は小さな事故を起こしても、昇進やボーナスの査定で大きな痛手を被るという話、聞いたことはありませんか?自衛隊でも実際にあるみたいです。(ちなみに教習所の指導員も仕事失いまーす笑)
もちろん事故を起こした加害者は悪いです。ですが、もし自分の子供が原因で事故が発生して、誰かの仕事が失われたり、誰かの未来が失われたら…めちゃくちゃ後味悪くないですか?
ただ遊ばせるなということではありません。
ここまで書くと、「やっぱり駐車場で遊ばせるなということじゃん」と思われるかもしれません。
私は今住んでいる官舎の規約を何度も確認しましたが、駐車場で遊ばせるなという記述はありませんでした。(記述のある官舎もあるかもしれません。今一度確認を)
遊ばないに越したことはありませんが、ここまで私が書いてきたことを親が常日頃から考えていれば、行動は変わると思います。
例えば、遊ばせるのであれば親が監督する。子供が小さければ車が来れば手を繋いだり全身をホールドしてガードする。車に近づきそうになれば注意する…なんぼでも考えられるはずです。
自分の子供を守ることは車側、他の人を守ることにも繋がります。是非是非、官舎に住んでいる子持ちの奥様で「あっ…」と思われた方は、参考にしてみてください。
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