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私が官舎色に染まるまでの話ーミイラ取りがミイラになるまでー

入居後一ヶ月、「なんて人の交流がない寂れた官舎なのか。皆冷たすぎん?」と思っていました。入居一年半後、ついに私も「極論旦那さえいればいいや」みたいな境地になってしまいました。私が、官舎の人間関係に染まるまで…ミイラ取りがミイラになるまでの過程を書こうと思います。

人と交流することでメリットを享受していた時期

官舎に入居して6ヶ月の頃、立て続けで素敵な出会いがいありました。一人は海自の幾多の官舎を経験した神のような奥様、もう一人は価値観がとても似ている奥様、そして、旦那と同じ職場の人の奥様。

お茶会をしたり、官舎生活が豊かになる家電やテクニックや自衛官妻としてのライフハックを教えてもらったり、役員の期間中この奥様方に何度も救われ、官舎も悪いものではないと思いはじめました。

自分自身がいろんな人に助けられたので、自分も新しい住人が困っていたら仲良くなって、助けようと心に決めていました。この頃までは。

些細なことで価値観の相違に気づきはじめた時期

入居して一年が経った頃、かなり居住者が入れ替わりました。知り合いも実家に帰ったり、引っ越ししていきました。それと同時に入居者が結構きて、環境が大きく変わりました。一番の変化は子持ちの方が急増したことです。

こなし妻舐められてるのかなと思うこともありましたが、それ以上に、駐車場で子供が遊ぶようになり、徐々に車に近づいて遊ぶようになり、トラブルが出始めました。トラブル時にも謝る謝らない。片付ける片付けない…ということも出始めます。

別の機会に注意すると遠回しに「(あなたがいる間だけは)子供を遊ばせませんから」みたいなことを言われ、「そこじゃなくない?私いなくなったらまた遊ぶの?他の車に傷入ったらあなた責任取れるの?」と価値観の違いに戸惑うこともありました。

このように旦那達が同じような仕事、階級、同じ日本人でも価値観が全く違うと気づき始めました。特に他人の財産(車など)に対する考え方、挨拶、ありがとうごめんなさいの部分の価値観の違いに驚きました。

官舎で最初に冷たいと感じたのは自己防衛反応

トラブルはある程度解決したものの後味の悪さが残りました。解決と同時に味方でいてくれる人、離れていく人…色んな人がいて「もう人間関係頑張りたくない。仲のいい人…極論旦那兼友達の旦那との関係が良好であれば、それでオッケーオッケー」と思うようになりました。

その境地に達した時ふと気づきました。「なんて人の交流がない寂れた官舎なのか。皆冷たすぎん?」と入居当初感じていたのは入り込みすぎるとトラブルが起こった際、よけい雰囲気が悪く感じたり、面倒くさい感情が増えるから冷たいのもある種の自己防衛ではないかと思うようになりました。

周りとの人間関係で一喜一憂する時間があれば、自分の家庭内で楽しく過ごすことに時間を費やす方がよっぽど、精神衛生上いいですし。

もちろん、元から自己中心的な人もいると思います。しかし、親切な人でも、官舎という閉鎖空間で揉まれたら、一定の距離感を保つぐらいが丁度いいという境地に陥るのではないでしょうか。

居心地がいい人とさえ仲良くなれば万々歳

ある奥様が「旦那の同期としか仲良くなったことはない」と昔に言っていました。当時は相槌を打つだけでしたが、今となっては旦那フィルターを通じて人柄、素性がわかる人としか仲良くしないことは心の安定のためにも賢いと思いました。特に官舎では。

最初の私と同じようなタイプの人が官舎に初めて入居したら、戸惑うことが多いと思います。感情も揺さぶられ、しんどいことも多いと思います。今の私が当時の私にアドバイスするなら、一喜一憂しなくても大丈夫と言いたいです。

いろんなトラブルが起こっても、一連の行動が正しければ味方になってくれる人が周囲であれ、家族であれ、一人はいるはずです。離れていく人はそこまでの人です。一緒にいてくれる人さえ大切にできればそれでいいと思います。

少し内向きな自己中心的な考え方になったかもしれませんが、この考え方になったおかげで、これまで腹が立っていたことがあまり腹立たなくなり、もっと自分の人生を充実させるところに目を向けられるようになりました。

1番大切なのは自分の家族です。自己防衛のために常識的な範囲や他人様に迷惑をかけない範囲で(ここ重要…笑)多少図太いくらいでちょうどいいと思います。何故なら周りもそうなのだから。

一年半でここまでの心境の変化ですから、これからも考え方はコロコロ変化していくと思います。機会があればまた色々かいてみたいと思います。

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