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【疾患の特徴と主な治療法解説】緑内障~視界がゆっくりと欠けていく

主に眼圧上昇によって、視神経が障害され、視野障害や視力低下を起こします。発作を起こすと数日で失明のリスクも。

※『名医のいる病院2023 眼科治療編』(2023年3月発売)から転載

疾患の特徴

だんだんと視野が狭窄し失明することも

 緑内障は、主に眼圧の上昇によって眼の奥にある視神経が障害され、視野狭窄や視力低下を起こす疾患です。緑内障は40代の約5%、 60代以上で10%以上が罹患するといわれ、決して珍しくありません。日本人の中途失明原因第1位の疾患です※。しかし、早期に発見し、適切な治療を受ければ、視野狭窄や視力低下などを留め、現状維持が期待できます。

 緑内障には大きくわけて、開放隅角(かいほうぐうかく) 緑内障と閉塞隅角(へいそくぐうかく) 緑内障の2種類があります。これは眼圧を調整する房水を出す隅角が開いているか、閉じているかの違いです。

 また、眼圧は正常範囲にもかかわらず緑内障を発症する正常眼圧緑内障もあり、開放隅角緑内障に含まれます。日本人では一番多い病型で、成因として、眼圧を受ける視神経の脆弱性のほか、免疫や血流の異常も指摘されています。

 閉塞隅角緑内障の発症に伴い、急激に眼圧が上昇する急性緑内障発作は危険です。目の痛みや充血、かすみ、頭痛や吐き気を伴い、…


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海谷眼科 岩田和雄記念海仁緑内障センター センター長・副院長
山本 哲也(やまもと・てつや)

1979年、東京大学医学部医学科卒業、同大眼科学教室入局。大宮赤十字病院、山梨医科大学、米国留学、岐阜大学医学部教授などを経て、2020年より現職。岐阜大学名誉教授。