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ペインクリニック

「痛み」とは……
「痛み」は、多くの患者さんに苦痛をもたらし、治療の対象となっています。2020年に国際疼痛学会は、「痛み」とは「実際の組織の損傷と関連するか、それに類似した、不快な感覚的および感情的な経験」と再定義しました。痛みは刺激によって感じるものだけでなく、神経の圧迫、損傷、伝達の異常によるものや、心の要因(不安やストレスなど)によるものなど、さまざまな要素によって引き起こされます。ペインクリニックでは、さまざまな手段を用いて痛みを治療しています。

※『名医のいる病院2024 整形外科編』(2023年10月発行)から転載



診断と治療法

多面的アプローチによる痛みの伝達経路の解析

 痛みが伝達される経路は複雑であり、単なる神経の情動が関与し、最終的には脳で痛みとして認識します。従って、不安、ストレスなども痛みに強く関連します。

 ペインクリニックには、三叉神経痛や帯状疱疹など、体全体に広がるさまざまなタイプの痛みを抱えた人々が訪れます。

 その中でも、下肢や上肢の痛み、首や背中の痛みなど、四肢や胴体の痛みを訴える患者さんが大きな割合を占めています。特に男性は腰痛をよく経験し、女性は頭痛の有訴者が目立ちます。

患者さんに合わせた治療法でADLの改善を目指す

ペインクリニックでは、さまざまな方法を用いて痛みを軽減します。

 薬物療法には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やオピオイド鎮痛剤、神経障害性疼痛の場合はガバペンチノイドなどが使用されます。これら薬物療法が奏功しない場合、さらなる治療法を施行します。

 その中心が神経ブロック療法であり、神経ブロック針を用いて…


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