見出し画像

股関節の痛みと疾患

胴と脚を繋ぎ支える
股関節は足の付け根にある大きな関節で、胴体と脚の間にあり、太もも側の大腿骨頭と、骨盤側で骨頭の受け皿となるお椀の形をした寛骨臼(臼蓋)が組み合わさって形成されています。体を支える重要な役割を担っており、歩行時には体重の約2〜 3倍、階段の上り下りをする際は約5倍の力がかかります。股関節疾患の予防には「適度な運動による筋力の維持」と「適切な食生活を維持し、過度な体重負荷がかからないよう、肥満を防ぐこと」がポイントです。

【目次】
変形性股関節症

 立ち上がりや歩きはじめに足の付け根に痛みを感じる
 痛みが少なければ薬物療法、運動療法など保存療法を選択
 主な治療法
大腿骨頭壊死
 血流障害などにより、大腿骨頭の一部が壊死
 壊死領域の正確な把握と圧潰を防ぐことが重要
 主な治療法
 治療法
大腿骨近位部骨折
 骨粗鬆症の人は要注意、寝たきりや要介護を招く
 合併症リスク軽減のため迅速な手術が重要
 主な治療法
 治療法
監修

※『名医のいる病院2024 整形外科編』(2023年10月発行)から転載

変形性股関節症

立ち上がりや歩きはじめに足の付け根に痛みを感じる

 変形性股関節症は大腿骨頭と寛骨臼を被覆する軟骨が擦り減り、骨が変形する疾患です。原因は加齢や体重増加などによるほか、生まれつき、もしくは発育段階に寛骨臼が大腿骨の骨頭部分をきちんと覆っていない「寛骨臼形成不全」によるものなどがあります。

 日本人の成人男性の0~2%、女性の2~7%が寛骨臼形成不全といわれ、体重を支える面積が狭く、関節への負担がかかりやすい傾向があります。

 変形性股関節症の主な症状は痛みと動作障害です。立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じることが多く、…


続きは「医療新聞DIGITAL」でお読みいただけます。
残り2,693文字、画像8枚

会員登録不要
▼こちらからお読みください