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体の痛みと疾患 治療解説大全11~まとめ

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整形外科領域の疾患は、誰にでも起こりうる身近なものです。「痛み」を中心に、さまざまな症状が体の部位に現れます。多くの疾患は原因と症状が現れる部位が一致しますが、なかには一致しない…
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頭部と体をつなぐ重要な部位「首」の痛みと疾患

頸椎症性脊髄症/頸椎症性神経根症老化で神経の通り道が狭くなった頸椎  頸椎症は加齢に伴い、骨、靭帯や椎間板が変形、変性して脊柱管を狭め、脊髄神経が圧迫されて現れる病態の総称です。  椎間板はおまんじゅうのような構造で、若い頃は、あんこの部分(髄核)は、水分を豊富に含む張りのある状態です。しかし、加齢に伴い水分が失われ、上下方向に縮小したりします。  また、あんこの部分が後方や外側に突出、おまんじゅうの皮の部分(線維輪)が厚くなることがあります。さらに、頸椎の後方にある黄色

全関節中、上下左右に最も大きく動かせる「肩」の痛みと疾患

変形性肩関節症加齢で軟骨が再生されず、肩関節炎を起こす  変形性肩関節症は軟骨がすり減り、肩関節が変形した状態です。肩関節は通常、肩甲骨と骨頭、軟骨が整然と連結しています。長年使われ続けた肩関節は、連結部の骨頭と肩甲骨の軟骨が次第に摩耗します。軟骨は加齢に伴い、十分に再生されないので、肩関節炎を起こします。さらに、骨頭の軟骨が硬く骨化してとげ状になる骨棘形成が始まり、次第に肩関節が変形します。  変形性肩関節症は原因が定かでない一次性と発症要因が明らかな... 続きは「

人類の進化を支えた重要器官「手」の痛みと疾患

関節リウマチ初期症状は手指関節のしびれ痛み、朝のこわばり  関節リウマチは体の免疫異常により、関節に炎症が起こり、関節痛、関節変形などが生じる病気です。  本来ならば、細菌やウイルスなどの外部から侵入した敵を防御するはずの免疫が、関節を守る組織や骨を敵とみなして攻撃し、身体の各所に病気を発症させる自己免疫疾患です。  発症は女性の比率が高く、30~50歳代に多いのが... 続きは「医療新聞DIGITAL」でお読みいただけます。 残り7,099文字、画像12枚 会員登録

腰は体の要です「腰」の痛みと疾患

腰部脊柱管狭窄症加齢による脊柱管の狭まりが痛みとしびれを引き起こす  脊柱管狭窄症は、脊柱管が狭くなる疾患であり、その原因は椎間板や脊椎の変性、および脊髄の後ろにある黄色靭帯の厚み増加です。  脊柱管の狭窄により、馬尾神経や神経根が圧迫され、痛みやしびれが生じます。  椎間板や脊椎の変性は主に加齢によるものです。加齢により... 続きは「医療新聞DIGITAL」でお読みいただけます。 残り6,402文字、画像9枚 会員登録不要 ▼こちらからお読みください

上肢の軸となる脊柱(背骨)「背中」の痛みと疾患

脊髄腫瘍腫瘍が脊髄を圧迫し背中に痛みやしびれが生じる  背中に痛みがある場合、まれなケースですが、「脊髄腫瘍」の可能性もあります。背中だけでなく、手足にも痛みやしびれが出たら、ためらわず医療機関を受診しましょう。 脊椎すなわち背骨の中を、脳の底部から下方へ長く伸びた神経の管が脊髄で、脊髄や脊髄神経(神経根)、それらを包む硬膜、脊椎から発生する腫瘍を総称して脊髄腫瘍といいます。10万人のうち1・5人が発症するといわれている珍しい疾患です。腫瘍ができる場所によって、呼称が変わ

股関節の痛みと疾患

変形性股関節症立ち上がりや歩きはじめに足の付け根に痛みを感じる  変形性股関節症は大腿骨頭と寛骨臼を被覆する軟骨が擦り減り、骨が変形する疾患です。原因は加齢や体重増加などによるほか、生まれつき、もしくは発育段階に寛骨臼が大腿骨の骨頭部分をきちんと覆っていない「寛骨臼形成不全」によるものなどがあります。  日本人の成人男性の0~2%、女性の2~7%が寛骨臼形成不全といわれ、体重を支える面積が狭く、関節への負担がかかりやすい傾向があります。  変形性股関節症の主な症状は痛み

ひざの痛みと疾患

変形性膝関節症加齢による高齢者の罹患者が現在も増加中  ひざの関節内部で、曲げ伸ばしのクッションとなるべき軟骨や半月板が擦り減ったり傷ついたりすることで、大腿骨と脛骨が擦れ合い、痛みや運動障害を引き起こします。これが変形性膝関節症です。日本人の場合は比較的女性に多く見られ、高齢者になるほど罹患者が増え、無症状者を含めると約2500万人が発症していると推定されています。  最も多い原因として考えられるのは、中高年を過ぎると加齢による半月板や軟骨の変性によってそれらが損傷する

全身の痛みと疾患

骨粗鬆症 日本では約1300万人が罹患し増加傾向に  骨粗鬆症は、骨の強度が低下し、骨折のリスクが増加する状態を指します。一般的に、骨密度(骨のカルシウム量)が低下し、骨内の微細な柱が細くなり、途切れることで骨組織が脆弱になります。現在、日本では高齢化に伴い、約1300万人がこの疾患にかかっており、新規骨粗鬆症患者は年間100万人ずつ増加していると考えられています。  骨は絶えず古い部分を破壊し、新しい骨を生成することで、骨量や質を維持するメカニズムが働いています。しか

スポーツによる痛み

肩・肘のスポーツ損傷 身体のバランスが崩れると、野球肘やテニス肘になる  野球において、肩や肘のスポーツ損傷は総称して「野球肩・肘」と呼ばれます。投球は足から股関節、胸椎、肩、肘までの全身を連動させます。投球の過程でどこかでエラーが発生すると、肩や肘の関節構造が損傷し、痛みが生じます。再発を防ぐためには、治療だけでなくバランスを崩した原因を探る必要があります。身体の使い方の改善も予防に役立ちます。理学療法士やトレーナーと協力して、スポーツができる状態を目指します。  テ

ペインクリニック

診断と治療法多面的アプローチによる痛みの伝達経路の解析  痛みが伝達される経路は複雑であり、単なる神経の情動が関与し、最終的には脳で痛みとして認識します。従って、不安、ストレスなども痛みに強く関連します。  ペインクリニックには、三叉神経痛や帯状疱疹など、体全体に広がるさまざまなタイプの痛みを抱えた人々が訪れます。  その中でも、下肢や上肢の痛み、首や背中の痛みなど、四肢や胴体の痛みを訴える患者さんが大きな割合を占めています。特に男性は腰痛をよく経験し、女性は頭痛の有訴

リハビリテーション

運動器疾患・外傷 骨粗鬆症と生命を脅かす大腿骨近位部骨折  社会の高齢化とともに骨粗鬆症の患者さんが増加しています。骨粗鬆症があると発生しやすい骨折には股関節の大腿骨近位部骨折、手首の橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)、肩の上腕骨近位部骨折、尻もちをついて起こる脊椎圧迫骨折があり、併せて4大骨折と呼ばれます。これらの骨折は、居室内での転倒程度で骨折することも珍しくありません。 なかでもリハビリテーション診療上、重要な骨折が大腿骨近位部骨折です。  骨折の治療は