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洗濯に対する執着

猿荻レオンさんのこのnoteを読んで、私の中の洗濯に対するいろんな思い出がよみがえってきました。

そもそものきっかけは昨晩の寝る前の話。
なぜか洗濯物が多かったので、洗濯機を回し、それを乾燥機に入れてから寝ようとしたら、夫が怒ってきたのです。
つい先日の断水の時数日間洗濯物がたまっても何とかなったのに、なぜ今、寝ればいいのに洗濯をするのか、と。

夫の言うこともわからなくはないのですが、
私は、洗濯物がたまっているのが本当に大嫌いなので、別に手洗いするわけじゃないし、好きなように洗濯機を回せさて欲しいのです。まあ、これを言ったらどんどん不毛な喧嘩になるので、私は何も言いません。単に疲れているんだから早く寝ればいいという優しさからの発言でしょうし。

そんな夫とのやり取りの後の猿荻さんのnote。

私はなぜ、こんなに洗濯に執着してしまうのか。



嫁ぎ先は井戸水を使っていました。もともと田舎育ちの私は実家でも井戸水だったので別にはじめは何とも思いませんでした。
が、どんどん水質が悪化して、そして水の色が茶色っぽくなり、違う井戸を掘っても掘ってもいい水は出ないという状況に至りました。

飲み水などは違うところから運んでいたのですが、さすがに洗濯用の水までは運べません。となるとどうなるか、衣類はどんどん薄茶色になっていきます。大人だけの暮らしの時は我慢できました。でも子供が生まれて、布おむつも肌着も洗えば洗うほど薄茶色になっていく、一人で子育てしている不安やストレスいらいらもろもろに加えて薄茶色の肌着!!!もう耐えられない!!!でも我慢しました。

我慢に我慢を重ねて何とか隣の義兄の家の井戸から透明の水をもらうことができるようになりました。洗濯しても薄茶色にならない喜び!!幸せを感じる閾値がどんどん低くなっていくことを実感しました。

透明な水で洗濯できる喜びが薄れたころ、二層式洗濯機の脱水が壊れました。修理に出しても直らないとのこと、仕方なく私は手絞りで洗濯を干していました。なぜ、新しい洗濯機を買って、といわなかったのか。

言えなかったのです。

なぜならば同居の姑も手洗い。隣に住む義姉も手洗い。そんな中で洗濯機が欲しいだなんて、私には言えない。なので私は洗濯機で洗い、それを絞ってすすいでまた絞る、という寒くない国だからできることを数年続けたのでした。絞るのもつらいけれどもっとつらいのは手絞りなので乾くのに時間がかかるということです。天気が悪い日などもう最悪。

さ、ら、に、

洗濯ものの部屋干しが認められませんでした。洗濯物の下をくぐるのは本当に良くないという言い伝えがあるのです!!!部屋干しするということはどうしても洗濯物の下をくぐらねばなりません。じゃ、乾かないものはどうすればいいのか、もうどうやってそれをこなしていたのかもう私は思い出せない。つらすぎて記憶から消しました。

こんなことを繰り返していたある日、私の中の何かがプツン、と音を立てて切れました。泣きながら夫に訴えました。洗濯機を買ってほしい、と。夫にしたら寝耳に水、私がそんなつらい思いで洗濯をしているなんて思ってもいなかったようです。翌日洗濯機を買ってきてくれました。こんなことならもっと前に言えばよかったとも思いましたが、幸せの閾値は極限まで下がっているので、小躍りして洗濯機を回しました。ベットシーツが、脱水だけで、ほぼ乾いたも同然!!くらいの興奮っぷりでした。


人間、感動はいつまでも持続しません。
いつの日か全自動洗濯機にもすっかり慣れ、それが当たり前になり、天気が悪い日には洗濯物が乾かないというストレスを思い出し、それでも家族五人分の洗濯ものは毎日毎日出てきます。

南国なので洗濯ものなど一瞬で乾くと思っているそこのあなた。湿度が高いので意外と乾かないのですよ、これが。いつか乾燥機が欲しいなあ、と思いながら、でもそんな贅沢言えないわ、と、胸の奥底に気持ちを隠していました。

そんな時、家のリノベーションをすることになりました。あこがれの洗濯室が作れるんじゃないかしら、と、夫をさりげなく家電店に誘導し、さりげなく、乾燥機が欲しいんだよねえ。ボーナスも入るし、買っちゃってもいいかなあ、と、そのままお買い上げ。その後この国に経済危機が来て、とんでもないインフレが始まり、結果、家電の値段は倍になりました。いい時に買ったわ~私。

こうして私は、乾かなかったときに乾燥機にぶち込めば許されない部屋干しのことも考えなくても済むし、気持ちすっきり!という状態になりました。

が、

3時半に起きてご飯作って弁当作って洗濯して外に干して娘を道路まで送りに行って、6時半に出勤する、今思うとよくやってたわ、と思うことを頑張っていたのですが、夜、帰宅したら、洗濯物は外に干しっぱなし、私以外の家族は全員いるにもかかわらず、ということが続いたのです。言わないとやってもらえないことに絶望し、そして落胆し、私は諦めました。

もうこうなったら外に干すのをやめてしまえばいいんだ!

というわけで今の洗濯スタイルに落ち着きます。電気代が気になる、という気持ちは今でもぬぐえませんが、私が受けた抗がん剤が日焼けがよくないということもあって、堂々と乾燥機を使うことになりました。
寝る前に洗濯機をタイマーセットして、朝起きて乾燥機に入れて帰宅したら乾燥機から出す。雨の日も風の日も晴れの日も何の問題もなく洗濯が終わる!!ハッピー!!

のはずが、寝る前に家事をすると夫に怒られる。笑

この先も私は洗濯に執着して暮らしていくことでしょう。ほかの家事もこれくらい執着すれば家はもっと整理整頓されて、日々おいしいものが食卓に並ぶのでしょうが、私にはそれは無理です。

大人5人分の洗濯ものにてんやわんやの日々も今がピークかな、と思いながら、今日も明日も明後日も、私は洗濯機と乾燥機と仲良くしていきます。


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