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「ウチだからこそできる」自社オリジナル教科書作成のすすめ

こんにちは、noteコーディネーターの玉岡です。
本日紹介する新刊書籍はこちら!

本書は、人材育成家である著者によるTOP営業パーソン育成マニュアル。
「人材育成家」としての加藤じゅういち氏は、リクルート入社後、あらゆる業種・業界の求人広告を作成することでその業界特性を理解する目を育成。
独立後は営業支援を行った顧客企業に対し、新規営業売り上げを300%向上させるなどの確かな結果を築いています。
本書では、そうした人材育成において、タイトルにある「自社オリジナル教科書」の重要性を説いています。

市場には数多くの「営業マニュアル本」があふれています。それらは「営業」という職種に求められるスキルやナレッジを、それぞれの著者が掲げる方針に基づいて編み直しているものがほとんどであり、本書のように「営業力を強化したい個社単位で、オリジナルの教科書を作る」というスタンスの本はとても珍しいものです。
では、この「自社オリジナル教科書」とはどんなものなのでしょう?


序章 自社オリジナル教科書が必要な理由
第1章 自社オリジナル教科書のススメ
第2章 教科書の作り方① 前提と準備
第3章 教科書の作り方② 情報収集と研究・分析・整理
第4章 教科書の作り方③ 教科書にまとめる
第5章 教科書を使い、ノウハウを定着させる
第6章 教科書による成長の成果



序章 自社オリジナル教科書が必要な理由


序章では、「自社オリジナル教科書」とは特別なものではなく、すべての会社にその要素が内在していると伝えます。

売れるノウハウはすでに社内にあります。 それを伝えてしまうほうが近道です。
それも「見て覚えろ」 ではなく、きちんと型にして言語化し、 共通認識をつくる。 ノウハウを教えることまでをパッケージにした、 自社の実態に合わせたオリジナル教材があったほうがよい。

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第1章 自社オリジナル教科書のススメ

いわゆる「営業マニュアル」と「自社オリジナル教科書」は異なるものである、と著者は強調します。
自社オリジナル教科書とは、その会社にフィットした「内製化された研修」なのだと。
研修プログラムにのっとり、教科書の目次は次のように構成されます。


そして、人材育成教育の内製化がもたらすメリットを1章で詳述していきます。

第2章 教科書の作り方① 前提と準備

2章からは、いよいよ教科書作りの実践が始まります。
「自社オリジナル教科書作り」は、その性質上、トップダウンによる全社横断的なプロジェクトとなるでしょう。
そのため、プロジェクト遂行のためのタスクフォースを作る=プロジェクトメンバーをそろえる所からスタートします。


営業力強化を目的とするため、教科書作成にはそれまでの営業行為の棚卸が必須です。
「5 営業別ポイント集」では、企業の営業部隊がターゲットとする形態ごとのアプローチポイントがまとめられており、参考になります。


そして、教科書を用いて育成すべき営業階層(若手/中堅/ベテラン)を決め、顧客ターゲットを整理します。

第3章 教科書の作り方② 情報収集と研究・分析・整理

自社向け教科書のコンテンツである以上、それは自社内の素材から形成されます。具体的には営業パーソンへのインタビューを行う、と3章では解説されます。
売れている営業/売れていない営業の双方にインタビューを行い、自社の営業特徴を整理します。
「売れていない」相手にもインタビューを行うため、そこには確かな傾聴・ヒアリングのテクニックが求められます。
3章では、一般的なビジネスアクションにも使えるそうした技がコンパクトにまとめられています。

第4章 教科書の作り方③ 教科書にまとめる

この章では、これまで収集してきた素材をどのように教科書に落とし込むかの「手の動かし方」を解説しています。
営業の役割/マインド/業界知識を教科書の「基礎編」にまとめ、営業計画/行動計画/商談計画等を「実践編」内でマトリクス化します。
最終的には対顧客アクションとして、アイスブレイク/課題設定等の行動に落とし込まれるわけですが、当然一朝一夕にこうした流れが身につくわけではありません。
「トレーニング編」では、教科書に落とし込まれた自社ならではの要素を、どのように教育対象に浸透させるかの方法も解説されています。

「教育の成長効果の確認」「自社オリジナル教科書の更新」

まとめとなる第5章、第6章では、PDCAのCおよびAにあたる、「教育の成長効果の確認」「自社オリジナル教科書の更新」を解説します。
ある意味、この2章が本書の本当のキモだともいえるでしょう。特に第6章「社内の共通言語と成長基準」は、営業だけではないすべての職種にも共通する重要なパートです。


BtoCでもBtoBでも、営業という職種は企業活動を成立させるための根幹となる部隊です。
それだけに、そのレベルアップを説く類書は数多く存在していますが、「個社単位」で取るべきアクションとしての営業教育の内製化をパッケージングした書籍は珍しく、価値が高いと思います。
部署編成も控える4月に向けて、是非一読をおすすめします。

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