祈り

「感じ知性をとりもどそう!」Next Step

こんにちは。
日本能率協会マネジメントセンターの柏原です。

noteの更新、気づけば久しぶりになってしまいました…(汗)

この期間、何をしていたのかといえば、仕事、仕事、仕事。。。
こう書くとうんざりしそうですが、
私にとって編集者という仕事は、山伏でいうところの「里の行」。
つまりは、修行三昧の日々というわけです。

久しぶりの更新の理由は、タイトルのとおり。
「感じる知性を取り戻そう!」Next Stepのご案内と、その背景にあるものをお伝えするためです。
ちょっと長くなりますが、お読みいただけるとうれしいです。

そもそも、なぜ始めたのか?

色々な方と語り合う中で生まれた感覚を紡ぐことで1冊の本をつくる――こんな趣旨ではじめた「本の企画、一緒に考えませんか?」会議vol.1の記録。
テーマは、「答えが出ない問い」への向き合い方。
出羽三山の宿坊「大聖坊」の13代目・星野文紘先達の言葉を中心に、山の思想とビジネスの交差点を探求していきます。

こんな目的ではじまったのが、昨年12月です。
最初にかかげたテーマは、

羽黒山伏と考える、答えが出ない「問い」への向き合い方

でした。

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何を隠そう私もその1人でした。
きっと、このタイトルをつけた当時(約1年前)の私も、まさにそう感じていたのでしょう。

書籍編集者としてのキャリアが7年を超えた頃から、打ち合わせ時点で何となく本の完成イメージがわかるようになりました。
本というのはどういうもので、どうやってつくると適切か。その人がもっているコンテンツを、本に当てはめるとどうなるかがわかる、という感覚です。
これは、経験を重ねてきたからこそ得られたもので、誇らしいものです。
だけど、いいことばかりではないのもたしか。
イメージがわかない、よくわからないものは「本にならない」「本にそぐわない」と切って捨てる――きっと、気づかないうちに何度もこうしたミスをおかしてきたのだろうと思います。
経験があるからこそ見えなくなるものもあれば、経験があるからこそ、つくれない本もあるわけです。

そんな状況を全部踏まえたうえで、編集者としての自分の限界を破りたい!

星野先達、渡辺清乃さんと「本をつくりたいね!」という話で盛り上がったのは、そんなタイミングでした。

打ち合わせはめちゃくちゃたのしい!
だけど、一体どんなものなのか、何ともカタチが見えてこない。おもしろそうなものができそうな気はするけれど、どんな姿・形をしているのか? 目次はどんなものか? 誌面のイメージは??

これまでだったら、「本になりそうにないからやめましょう」のひと言で済ませていたかもしれません。
でも、そうするにはもったいないような、どこか気になるものもありました。

そんな引っかかりに応えるかのようにわいてきたのが、「みんなに相談してみよう!」というアイデアです。

”本”にあわせて本をつくる「考える本づくり」の限界は、1人では超えられないかもしれないけれど、仲間がいれば何とかなるのではないか?
――「本の企画、一緒に考えませんか?」会議を始めた、もう少しくわしいストーリーです(後付けです)。

これまでのこと

2018年12月の第1回以降、

2回目(3月)「ノープランの価値を体感する」
3回目(5月)「生きること、死ぬこと、そして働くこと」
4回目(6月)「感じる知性から考える企画会議」
5回目(10月)「感じる知性から始めよう!~「女性性の時代」と山の思想、そして…~」

と、5回のMTGを重ねてきました。

くわしい内容は、ぜひ過去ログをどうぞ!
(3回目以降も、順次アップしますね)

https://note.mu/jmam_pub/m/m12f3ac867353

星野先達や渡辺清乃さん、そして参加者のみなさまが集まることで、予想もしないような話題、キーワードが次々に生まれていく。
まさに「創発」の場に立ち会ってきました。

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この経験は、ふだん主に「文章」を相手にしている私にとって、とても貴重な経験でした。
立体的につむがれる知恵は、たくさんの気づき・学びをもたらしてくれるものばかりです(特に、3回目は鳥肌ものでした!)。

そして、ある時、気がつきました。

「これ(山の思想、感じる知性)は、話を聞いているだけじゃ本当の意味ではわからない」

と。

だったら、まずは体験するしかないわけですよね。
というわけで、この夏、羽黒へ行き、山伏修行に参加してきました。

note4k回目2

山伏修行の経験は、私にとってとても得がたい経験でした。
それだけで記事5つくらい書けそうなのですが、それはまた別の機会に譲りまして。。。

真夏の炎天下での修行が終わり、晴れて星野先達を話す時間がおとずれた時、(注:修行中は「うけたもう!」以外の言葉は発しません)
これまた自然と、こんな言葉が出てきました。

「先達、女性&おばさん系を応援しましょう! みんなで一緒にやっちゃいましょう!!」

修行に入る直前まで、どうも腑に落ちなかったことがあります。
それは、「この本は、一体誰のためにある本なのか?」ということ。

「感じる知性」は、今、この時代に必要なテーマです。
だけど、テーマだけでは、いつまでたってもアイデアは深まりません。
アイデアには、「誰が」という主語が欠かせないからです。

「誰」に、どうなってほしのか。
「誰」の、どんな悩みを支援したいのか。

本は、ある意味ではコミュニケーションなので、「相手」がいなければ成り立たないわけです。

というわけで、私が修行で得たもののひとつは、「この本の読者が誰か」ということについての確信でした。

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そして、Next Stepへ


「誰」について腑に落ちると、アイデアはどんどん膨らむ、企画もどんどん進む――かと思った方、すみません。
本づくりは、そんなに甘いものではありません。

本づくりって、ほんとうにしんどいものです。

「こんな仕事、もう辞めてやるー!!!!」
本を書くプロセス、つくりあげるプロセスで、何度そう思ったことか。
1冊の本は、著者はもちろんのこと、編集者も、まさに身を痛めて、「産みの苦しみ」を伴い、生まれてくるものです。

「苦しみ」ではかるわけではありませんが、今回の「感じる知性」の企画の場合、まだ本づくりのプロセスの、まだまだスタートに近い地点にいると思います。

その理由をひと言でいえば、「コンテンツ」がまだ見えてこない、ということ。

「コンテンツ」というのは、本の核となるものです。
それ無しには、本は絶対に出来上がりません。

でも、見えてこないのは、ある意味では当然のことです。
「山の思想」や「山伏の知恵」って、基本は口伝ではないから。それぞれが山に入り、自分で感じとりながら紡いできた知恵です。

だから、そもそも「言葉を中心に表現する」という本とは相性が良くないわけです。
表現方法は「言葉」に限らないけれど(写真や絵などもありです)。
だけど、誰かに伝えて再現できるレベル程度までには言語化できていないと、これから先、本にかかわる人が増える中で、早晩限界にぶつかります。

だって、
「修行に行けばわかる」
では、本にする意味がない
わけですから。
というわけで、本づくりという観点でいうと、「言語化のプロセス」が「Next Step」というわけです。

山の上


あともうひとつ。
「本をつくる」というのは、あくまでも「通過点」です。

「本をつくることをとおして実現したいものは何か?」

これが最初にあるわけです。

本を売って稼ぐため・・・・・・ならば、こんなつくり方はしません(苦笑)。
もっとラクな方法、たぶんたくさんあります。

だけど、今回はあえてそれをしない(というか、できない)のは、たぶんこんな理由からではないかな、と思っています。

考えることによりすぎてしまった現代社会は、色んな面で限界を迎えている。その突破口のひとつとなり得るのが、「感じる知性」という山の思想。
1人ひとりが「感じる知性」を活かしあうことができれば、みんなが幸せになるし、世の中はもっと良くなる。

そんな祈りにも似た想いが、ある意味で言えば面倒くさい(苦笑)プロセスを、私たちに選ばせているわけです。


だからこそ、まず「実践」なくして、本づくりに進むことができないと思ったわけです。

ちなみに、ここでの「実践」には2つの意味があります。

・自分が「感じる知性」を活かして何かをする
・「感じる知性」を取り戻して、それを表現したいと思っている誰かを支援する


とくに、2つめは、先ほど書いた、この本の「誰」にあたる方々なしには成り立たないものです。

・感じる知性の強い「女性」や
・感じる知性の素養のある「女性性の強い男性(≒星野先達の言葉を借りれば「おばさん系」)」

こうした仲間たちと、もっともっと密にかかわっていく。
星野先達から一方的に学びを得るのではなくて、お互いが実践し(感じる知性を活かして、何か具体的なアクションを積み重ねる)、そして、そこで得られた経験から学ぶ(学び合う)。

会場1

このプロセスそのものが、「本づくり」のさらに向こう側にある「目的」に沿ったものだと思っています。
それと同時に、こうしたプロセスが、先ほどいった「コンテンツの言語化」を助けてくれるものでもあります(学ぶこと、教えることは「言語化」するということなので)。


Next Step”(仮)「感じる知性」×「表現」修行”へ

・・・というわけで。

前置きが長くなりすぎましたが、
Next Step”(仮)「感じる知性」×「表現」修行”のご案内です。

*詳しくは、下記の告知用の資料もあわせてご覧ください!
https://drive.google.com/file/d/1CEeLpa8683r8gklxn8VStPvuX9bFUSrZ/view?usp=sharing

カバー3回目

「本の企画、一緒に考えませんか?」会議vol.1
「感じる知性を取り戻そう!」Next Step

(仮)「感じる知性」×「表現」修行 概要

≪目的≫
 
・「感じる知性」を取り戻し、表現しながら、活動したことをシェアする

≪何をやるか?≫
 メイン:お互いの学びや経験、体験をシェアする
 時々 ・「感じる知性」をテーマにした、トークライブ&ダイアローグ
    ・「感じる知性」を取り戻すためのワークショップ(座学だけではなく、身体をつかった知恵)
    ・「感じる知性」を表現するために必要な知識、スキルを学ぶ
*山伏修行のスタイルをとるので、事前にカリキュラムは作成しません

≪場所≫
 日本橋 など(一部オンラインや別会場の可能性もあり)

≪誰がやる?≫
 星野先達+渡辺清乃さん+志願者(最大20名)+ゲスト等

≪参加要件≫
 ・この活動の趣旨に賛同してくださる方
 ・自分自身の「感じる知性」を活かして、社会をよりよくしていきたいと思っている方

≪参加料≫
「あと値決め」方式
 *体験後、自分の感覚で支払う金額を決定いただきます

≪いつやる?≫
 2019年12月~2020年5月(予定)

≪参加方法≫
 事前エントリー→参加者決定→参加者に対して詳細をご連絡
 *noteやFacebookで今後の展開を報告します

≪エントリー方法≫
 下記よりどうぞ!

 https://questant.jp/q/YBSTJ4MV

★期限:10月16日(水)23時59分

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