サラリーマンになったらパワハラでうつ病にされてしまいました(8)
サラリーマンがうつ病にされていくリアルな記録──日記編(1)──
Twitterの手軽さは捨てがたい。
しかしながら、Twitterでの記録はあくまでも副次的な産物であった。ここから先は、自らが下した判断。日記として状況、症状を記録しておくべきだという自己防衛本能。
ここではとあるうつ病にされたサラリーマンが緩やかに自分を取り戻していく様を、記録した日記の内容からご紹介します。
とあるサラリーマンが遺した手記
12/20 大丈夫と、言われて、少し気が楽になる
意識が散漫 本がなかなか読み進められない
12/21 悪夢 最初に取り戻した感情は、怒り
成果物を平気な顔で破棄する夢
12/22 悪夢 思い出せない 頭か痛い 眠い
自分の意志で異動したと伝えられていることを知る
12/26 酔いの加速具合が半端ない 昔もそういう経験あった
12/27 どうしていいのか分からない 判断ができない
――当時の記録(日記)より抜粋――
1/3 正月休み 家にいる間は比較的まともになりつつある
1/5 出勤 些細なことで落ちる 頭が痛い
1/6 出かけるつもりだったがやめておく 無理やりカラオケにはいく
1/7 夜中2回起きる 眠い
1/8 眠い
1/9 眠い 首の後ろから蓋が開いて小さい人がぞろぞろ出てくる感じ
1/10 よく寝れたが昼間は眠い 考えがまとまらない もやもやする
頭の中がぐるぐるとかき回されてる感じ
1/11 それなりに会話した 割とスッキリしている 頭は重い 夕方頭痛薬
カラオケに行く 音程がよくわかる
1/12 頭は重い ザラザラする感じ 脳が平らにされている感じ
脳が引っ張られている感覚 ターチャンの金玉みたいな
1/13
1/14 いやな夢を見た うっすら眠いというか目が疲れている感
頭が痛い 頭痛薬で治まらず
1/15 脳がむずむずする 背中が気持ち悪い
1/16 寝つきが悪かった 頭が痛い 考えがまとまらない 眠気がひどい
病院へ行こうと決意する 家族に相談
1/17 よく寝たが眠い 腰がふわふわする カブみたいに脳を引っ張り出すようなイメージ
1/18 朝方起きる 風邪が原因か? 眠い 風邪が原因か?
1/19 初めての病院 淡々としている 眠剤とアガルやつ
映画を見に行く なんでもいい一人になりたい
家族と待ち合わせ 夕飯
1/20 前夜処方された眠剤を飲む 朝も処方通りサインバルタを飲む
ずっと眠い 薬が効き過ぎたのか
1/21 眠剤を半分にしてみた サインバルタは止めてみた
体調悪い 風的な症状 熱はない
1/22 風邪薬を優先して眠剤飲まずに寝た 悪夢で複数回起きたため
疲れが全く取れていない状態 徹夜ハイに近い 運転大変
1/23 前夜の眠剤は半分 よく眠れた サインバルタの副作用で眠かったのではないか
達成感 心の状態はいい
1/24 前夜の眠剤は半分 よく眠れた サインバルタは飲まない
昼間の眠気はマシになってきた やる気は出ない 本を読みたいが読めない
ゲームをやりたいがやれない 家計をつけなきゃならないができない
1/25 前夜の眠剤は半分 よく眠れた サインバルタは飲まない
昼間の眠気ほぼなし 仕事はそこそこ捗った
カラオケはあまり乗り気ではなかったのでやめた
1/26 前夜の眠剤は半分 よく眠れたが眠い
仕事の依頼者へ成果物の試作品を提出 予想以上との評価 その一言で救われる
新書が一冊読めた 大丈夫かも知れない
1/27 前夜アルコールを飲んだので眠剤はパス
何度か起きた 悪夢か寒さか 多少眠い
サポートでライブ 積極的他者との関わりに踏み込めない 会話が持ち出せない
前に出ていけない アルコールを入れてからは比較的まとも
アルコールがすすむ 飲みすぎた感はある
1/28 前日アルコールを飲んだので眠剤はパス
何度か起きた 酔いか寒さか悪夢か 酔いもある 頭痛 頭痛薬飲んでから
2時間くらい寝て眠気ばかり治まる
実家 心の状態はいい 母に現在の仕事を聞かれて口ごもる
義実家で夕飯 世相について多少上手く会話できた気がする 大丈夫かも
1/29 前夜アルコールを飲んだので眠剤はパス
変な夢を見た記憶はある 寝起きの疲労感はない
眠気より不安感が強い
1/30 前夜の眠剤は半分 よく眠れた 疲労感はないが日中眠い
考えがまとまらない 産業医の面談 この産業医は人任せだ 責任逃れ的な発言多い
今日はだめだな 脳がしびれる 気分が上がらない
1/31 前夜の眠剤は半分 よく眠れた 入眠は特に良好
少し頭いたい 寒さか 頭いたいのは久し振りな気もする
午後から突如頭が回らなくなる カラオケに行く 点が伸びる 気分がいい
良い評価はこれでいいという基準 重要
――当時の記録(日記)より抜粋――
所感
何年も前の出来事である。正直もう大分色あせてしまった。
しかし自分は忘れてはならない。社内の立場も、最終的には職をも失ってしまったという事実を。絶対に、忘れてはならない。
Twitterは結果論。たまたま残っていたものが記録として活用できました。この日記に至っては、おかしな状況にされてから自発的に書いている。目的は記録。そのため内容はうつに関するものへと特化している。こんな状態にさせられながらも、日記に遺そうと思いついた当時の自分を賞賛したい。
読み返してみる。頻繁に出てくる表現や症状として、悪夢、頭痛、頭が回らない。
人をこんな状態にさせてしまう。読み返せば読み返すほど恐ろしい。ただ、ただ一所懸命働いていただけなのに、こんな状態にさせられてしまった。口惜しい。本当に口惜しい。
読み返す。何度でも。この時の辛さを忘れないように。絶対、忘れない。
ここに至るまでの背景
この一連の流れの中で、完全に歯車が狂い始めたのはストレスチェックの面談を受けてからになります。
所属していた企業はそこそこの規模感でした。ストレスチェックや産業医面談など、労働衛生関連の制度は十分に整っていたと言えます。その十分に整っていたはずのストレスチェックの面談を希望したがために、このような状態に陥ってしまったのです。
きちんとした制度があるから安心して助けを求めよう。企業の規模も大きいから信頼しよう。そのような考えは幻想です。企業側に助けを求めた結果が、今回記している状態であり、最終的に積んできたキャリアも職も失うことにつながるのです。
これだけ情報があふれている社会。回避する方法はいくらでもあります。自分と同じ惨めな思いをする人を少しでも減らしたい。ノンフィクションの出来事として、知って、全力で回避してください。案外簡単です。
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