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阪神タイガース・横田は逸材だった。原因は脳腫瘍だけで終わらせてはならない。

まずは上の記事から読むことを推奨します。阪神において数少ない逸材だった中谷と横田。横田は2019年に脳腫瘍で惜しくも引退となってしまいました。

数々の阪神の関係者が逸材と評した彼は、確かに脳腫瘍という病が原因で引退したのは間違いありません。

しかし、阪神の彼に対する育成過程を見るとかなり問題があったと言わざるを得ません。

横田は僕と同学年の選手であり、入団後最もよく経緯を追った選手なのでよく知っていると自負しています。彼の育成失敗は、悲劇の脳腫瘍だけで終わらせていい問題ではないと断言します。

彼の経歴と阪神の育成の問題点を振り返っていこうと思います。

数々の関係者が逸材と評した横田

高校時代の彼は鋭いスイングから内角ギリギリの球をライトに、外角のボール球をレフトに流してホームランにできる打撃センスの持ち主でした。そして、俊足と投手を務めていた140km/h以上の強肩と走攻守3拍子揃った逸材でした。

上のtweetの動画は消されていますが、ラジオで福留が1年目のオフに増量を経て打撃練習をしていた横田を見て「メジャーを狙える」と言っていた内容です。今でもはっきりと覚えています。

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上は2015年のサンスポの記事です、中村GMの期待の高さが伺えます。掛布が横田を絶賛していたのはまあ阪神ファンなら知ってはいるでしょうが、あの人はなりふり構わず誰でも褒めるのであまり重要じゃないと思います(笑)

編成における最高責任者であるGM中日メジャーと渡り歩き数々の選手を見てきた福留からここまで言わせたのですから間違いなく関係者の目から見て逸材だったのでしょう。

1年目の成績から見ても逸材だった横田

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上の画像は2005年~2013年のウエスタンリーグ高卒1年目の打者の2軍打撃成績です。打低ウエスタンでOPS.600以上を記録した選手は上記の画像の選手となっています。打席数が少ない13打席の穴田と11打席の丹波を除いて13人中8人はそのチームのレギュラーまたは日本代表クラスとなる逸材ラインの数値です。横田は1年目の成績からT-岡田、高橋周平、今宮健太などに匹敵する数値を残していましたから、数字面からも逸材であることがわかります。

1年目から数字を下げてしまう阪神の育成の拙さ

大きな飛躍を期待された横田ですが、2年目の成績は1年目より下がってしまいます。

2014年(1年目)

打率.225(173-39) 本塁打6本 OPS.658

2015年(2年目)

打率.213(347-74) 本塁打9 OPS.595

打率本塁打率OPS全て下げてしまいました。普通、木製バットを初めて握ったばっかの1年目より2年目の方が成績を出せて当たりまえなのですが、それすらもできない阪神の育成の拙さの現れです。

現代野球において懐疑的な指導も散見されました。

2年目に利き手でない方の手で箸を使って飯を食うという現代野球で全く聞いたことのないナンセンスな指導に当たっていました・・・(苦笑)

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2016年に金本が初めて横田を見たときの感想です。この記事以外にも打撃でのトップの問題点も挙げていました。打撃の基本である割れやトップですら教えられないのかと阪神の育成力の無さに愕然とするあまりです。箸の使い方なんて指導してないで、トップや割れインサイドアウトなど基本を徹底的に抑えて教えるべきでしょうに。

それでもオープン戦で結果を残し開幕スタメンを勝ち取った横田

しかし横田は持ち前のセンスで金本監督のオープン戦での抜てきに応え、規定中最高打率.393を記録し、開幕スタメンを勝ち取りました。

そして1軍初ヒットもマークしましたが、徐々に数字を意識して打撃を当てに行くだけのフォームが目立ち不振に陥ってしまいます。

ここで当時1軍打撃コーチであった現YouTuberで無能のあっちゃん(片岡)が横田に関して指導をした記事がありました。

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片岡は横田に足を活かさせるべく反対方向の打撃を指導します。

しかし、2軍に落とされると掛布は長距離打者として引っ張らせる指導をしました。ここで、1軍と2軍の指導に大きな齟齬が生じていたことが明らかになります。基礎すら教えてもらえなかった選手をさらに袋小路に陥れる阪神の育成力の無さがここでも露わになっています。

ちなみに掛布はトップやインサイドアウトなど打撃の基本すら理解していないで教えてひたすらレベルスイングばっか唱えていた非常に引き出しの少ない指導者として記憶しています。八木、掛布、片岡と阪神の打撃コーチ職には無能が多すぎる印象です。

そしてとどめを刺した脳腫瘍、引退

2017年に脳腫瘍が発覚し、その後の後遺症で引退となってしましました。逸材は阪神の育成に翻弄され、最後は病気という形でその野球人生を終えました。

阪神が横田に関して唯一貢献をしたことは、脳腫瘍が発覚後、横田をマスコミやファンから守るために、寛解前まで徹底的に事実を隠蔽し負担をかけさせなかったことです。この点に関しては周りがうるさすぎる阪神において、球団は最大限の対処をしたと思っています。

問題点・阪神にはまともな指導者がいない

2015年の途中に横田は松中から指導を受けました。上の動画ではおそらく基本的なインサイドアウトの練習だと思われます。

この指導後、5/27から6/9までの短期間で4本のホームランを量産しました。専任コーチだった掛布より、選手片手間でなおかつ他球団所属の松中の方がよっぽど指導力がある時点で指導者、球団として大問題です。

横田・中谷へのアプローチから見て、井上と遠藤が心配でならない

1番上のリンク記事もご覧ください。

2019年ドラフトで阪神は井上と遠藤の獲得に成功し、かつての横田や中谷、いやそれ以上かもしれない素質を示しています。このことに安易な阪神ファンは必ずレギュラーまたは日本代表までになってくれると期待をしていますが、ここまでの事象を振り返って果たしてそんな断言ができるでしょうか?

まずは、広島や西武など育成ノウハウのある球団で指導をしたコーチをもっと招聘すべきです。現状を楽観視しているだけではまた、中谷と横田の悲劇の繰り返しになる。ということを警鐘しておきます。

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