シャチ

苦悩する鯱

 朝起きて今では日課のようになってしまっているTwitterを覗いてみると、トレンドに「土曜出勤」とあった。なんでそんな当たり前なことがトレンド入りしているんだろう?と当たり前に考えてしまった私はすでに社畜。世間一般では、週休二日制の会社も多く、一般的には土日祝日は休日である場合が多いと思われる。

 このtweetを投稿しようとしたときに、我ながら「社畜のような考え方」だなあという意味を込めて「社畜脳」とハッシュタグをつけたわけだけど、その時最初に変換候補に出てきたのは「鯱苦悩」であった。なぜだ。鯱は苦悩するのか。シャチはイルカの仲間で知能も高いため、他の生物を食べなければ生きていけない業の深さに思い悩むこともあるのかもしれない。だとしても、シャチが苦悩することを鯱苦悩と表記する機会がそうそうあるとも思えない。

 ここまで書いて、使われなさ具合では「社畜脳」も似たようなものかと考えた。思いついていろいろ試してみたが、私の辞書には「社畜」という言葉はちゃんと入っている。「しゃちく」を変換すればきちんと「社畜」と表示される。「しゃちくの」であれば当然「社畜の」となる。なのになぜ「しゃちくのう」を変換すると「鯱苦悩」なのだろうか。謎である。

 最近ではスマートフォンなども高性能になり、PCではなくスマホ(なぜスマフォではないのだろうかと思ったら、当初表記の揺れでスマートホンと書かれることもあり、略語として語感の良いほうが採用されたということらしい)を使用してインターネットに接続したりnoteを閲覧しているかたも多いと思う。

 スマホは便利なものだが、私は特に文章を打ち込むときに不満がある。例えば「脳」という言葉を入力したくて「のう」と打ち込むと、スマホは候補に「ノウハウ」「農業」「納期」「濃厚」と、ありがた迷惑な先読みをして勝手に選んだ言葉を表示してくるのである。その後も「農水省」「納税者」「濃度」などと続き(本当はもっと多いのだが省略している)、「能動的」の次にやっと「脳に」が出てくる。……「に」?そうなのだ、ありがた迷惑もここに極まれりである。「脳」など一文字の「のう」は、と探してみると変換候補リストの最後にまとめられていた。これでは「脳」と書きたい場合には「のう」を「脳に」を変換しておいて「に」を消したほうが早いではないか。

 おそらく開発者の気遣いから発したことで機種や搭載されている辞書にもよるとは思うが、過ぎたるは及ばざるが如しともいう。あまり先走らず、「のう」と入力されたらまず一番に「のうと読む漢字」を表示していただきたい。1エンドユーザーのささやかな願いである。

では、土曜出勤してきます。朝イチからでないのがせめてもの……その分帰りが遅いんですけどね(笑)




こういうことも少しずつ進めていきます。

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