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「仮でもいいから結論を出す」ことが大事――イツオミさんの質問も同じ効果?

悩むと考えるは違う、と知って「なるほど!」と思った私がもう一つ目から鱗だったのは「仮でもいいから結論を出す」という考え方でした。

悩むとは、答えなんて出ないと思いながら、ああでもないこうでもないとぐずぐず考えていること。
考えるとは、答えを出すという意志のもとで検討して何らかの結論を出すこと。

その結論は完璧である必要はなく、熟考を重ねたうえでというよりは、今の段階ではこれを思いついた、という程度でいい。とにかく仮でも結論を出せば、「だったら次はこれ」という行動へ自然と結びつく。時間を費やして考えたけど結局何も行動せず、状況は一つも変わらないという事態は避けられる。

仮でいい、というのがミソだなと思います。仮だから間違っててもいい、後から変わってもいい、とにかくその結論に従って動いてさえみれば、良くも悪くも結果は出る。その結果次第で「やめよう」「続けよう」「別の方向にしよう」とさらに次の行動につながっていくからです。

結論を出す、というとすごく大それたことに思えて、「間違えたくない」「ちゃんと全部考えてからにしたい」とつい逃げたくなります。でも、「仮だから!」と自分に言い聞かせ、いったん決めるだけならどうにかできそうです。そして結論さえ出せば、ともかく動くことになる。

そこで思い出したのがイツオミさんのこと。3月まで放映されていたアニメ『ゆびさきと恋々』の主人公、雪ちゃんが恋する大学の先輩です。
イツオミさんは、聴覚障がいを持つ雪ちゃんとコミュニケーションをとる時、びっくりするくらいストレートに「Yes or No?」の質問をします。
例えば
「○○へ行こうと思ってるんだけど、雪は行きたい? 行きたくない?」
「○○があるけど、雪は食べる? 食べない?」
などなど。

イツオミさんは二人の間で誤解なく意思の疎通がはかれるようにという配慮と、元々の物怖じしない性格からそういう質問をしているのでしょう。そのたびに雪ちゃんも「はい、行きたいです」「いいえ、いりません」ときっちり答えます。
最初はそういう場面を見て「率直すぎるやりとりだな~」とおかしかったのですが、途中で「これはいいかも」と思いはじめました。

イツオミさんのストレートな質問に、雪ちゃんが1つ1つ答えて(大袈裟に言えば結論を出して)いくことで、どんどん状況が進んでいくのです。
だから(なのか?)、二人は結構早い段階でお互いの気持ちをはっきりと知ることになり、付き合い始めます。もちろんそのあと問題はいろいろ出てくるのですが、見慣れてしまうと二人の率直なコミュニケーションはとても気持ちがいい! しかも状況がどんどん展開していく!

というわけで、とりあえず結論を出せば先に進むことにつながっていくのだなあとアニメからも学んだのでした。


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