見出し画像

お年玉に本を添えました。

お正月に親戚たちと集まる機会がありました。
毎年、親戚の子供にお年玉を渡していますが、今年は何か工夫を凝らしてみようと思い、私が過去に読んだ本の中から一冊を選んで、一緒に渡すことにしました。親戚の子供は中学一年生なので、色々な本を読む機会も多いと思います。できれば、普段あまり読まないであろうジャンルから選んでみようと思いました。

というわけで今回選んだ本は、光文社新書さんの『文章は接続詞で決まる』(石黒圭【著】)です!!本書は常に手元に置いて、文章表現に迷った際に参照できる本だと思います。

「国語力で会社人生が決まると言っても過言ではないからね」という言葉を、私は就職活動中のOB訪問で言われました。その言葉を聞いてから10年以上の月日が経ちますが、いまだに思い出す言葉の一つです。会社生活において、自分が考えていることを言葉にして伝える機会はメールや報告書などでとてもとても多いです。自分の意図を簡潔明瞭に伝えることに苦心する日々ですが、そんな私にとって、本書は頼もしい存在です。何より、「接続詞」に気を使うと、文章表現の幅が広がるのが面白いです。

 11章構成の本書は「接続詞」に特化した内容です。本書のような「接続詞」に特化した内容の本はあまり見かけないので、個人的にはとても気に入っている一冊です。特に、「四種十類の接続詞」(p.57)の体系図は、本書の「接続詞」の全体像を捉えることができ、素晴らしいと思っています。さらに牽引が豊富なため、目当ての「接続詞」が解説されているページを素早く探し出すことができ、読者への配慮を感じます。本書のような内容が充実している指南書をどのように自分事として利用していけるかが重要であると感じまずが、「自分の文章表現の改善」と、「読書の楽しみ方の増大」という切り口で本書の活用方法を語ってみようと思います。

まず、「自分の文章表現の改善」について述べます。「接続詞」に着目して、自分で書いた文章が自分の意図通りの表現になっているかの確認作業に本書を利用できると思います。本書の接続詞の定義『接続詞とは、独立した先行文脈の内容を受けなおして、後続文脈の展開の方向性を示す表現である』を意識して、『文頭の接続詞』と『文末の接続詞』を注意深く推敲し、自分の文章表現の練り上げ作業に活用できると思います。特に自分自身の文章表現の抽象度レベルを統一する際に、注意深く「接続詞」の使い方を確認する際に役立つと思います。

そして、「読書の楽しみ方の増大」について述べます。本の執筆者が「接続詞」をどういう意図で使っているのかについて思いを巡らすのもおもしろいと感じるようになりました。本の執筆者が「一本の線のような構造体である言語を、どのように重層的な内容として表現しているのか」という点に着目して、読書を進めてみようと思うようになりました。本書で事例紹介されている夏目漱石の『それから』や『門』を読むと、「接続詞」が文章表現に奥深さを与えていることがわかりました。さらに、本書の最後が谷川俊太郎の『そして』で余韻をもって終えていることに魅了されてしまいました。文章表現における「接続詞」の可能性を感じることができるとともに、日本語の可能性を再認識しました。

また、第八章の話し言葉の接続詞の章も興味深かったです。よく使う「接続詞」で隠れた性格がわかるという説明には身に覚えもあり納得しました。本書で記載されている対話での使用リスクを意識して、相手に不快感を与えないようにしていかなければならないと思いました。対話では「で」という言葉をついつい発してしまうので、意識的に他の接続詞に置き換えて、話の展開が単調にならないようにしていきたいと思いました。

 これから色々な本に出会うであろう中学生の親戚にとって、文章表現の中で「接続詞」の重要性に気づくことができるキッカケになったらいいなと思いました。今年はお年玉と共に、本を贈るということも加わり、充実した新年を迎えることができました。

#お年玉どうする

「みんなのフォトギャラリー」に「#jjpp」でタグ付けして写真をアップしています。みなさまのnote活動の一助になれば幸いです。