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【感想】『路地裏のウォンビン』を読んで、「生き抜くこと」について考えさせられました。

本記事は「note×U-NEXT」の合同企画「#読書の秋2021」の課題図書「路地裏のウォンビン」の読書感想文です。過去に趣味で撮影した写真を交えて読書感想文を書いてみました。本企画の詳細は下記に記載されています。

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「こんな過酷な状況を生き抜くために、自分だったら何ができるのだろうか?」と、本書を読み終えた後に考えずにはいられませんでした。昔、アジアの数か国を旅行した際に感じたことを思い出しながら、一気に読んでしまいました。ただ生きるのではなく、「生き抜く」という強い意志が無ければ生きていけない人達について考えるきっかけになりました。

本書は街や人々について丁寧に書かれているので、読んでいると「街の匂い」を感じる錯覚を覚えました。さらに、「骨」という逃れられない運命に抗う登場人物達の姿は訴えてくるものがありました。また、登場人物であるウォンビンとルゥが、お互いに「人間」として惹かれあう姿が印象的でした。「人間としての魅力」があるのであれば、男性や女性という区別は些細な事なのかもしれないと思いました。生まれた場所が違うだけで、「生きる」ということがこんなにも過酷なことになるなんて、、、。混沌とした街の中で、ウォンビンという存在は光り輝く華のような存在だと感じました。

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ウォンビンとルゥの選択は、果たして正解だったのか。もしかすると、選択肢の全てが不正解だったのかもしれません。身近な誰かがほんの少しだけ「優しさ」を持っていれば、二人の運命はきっと変わっていたんだろうと思いつつ、こんなことを考える自分は傲慢だと思ったりもしました。この状況下に、もし自分がいたら、きっと何もできなかったと思います。

また、人々を魅了するウォンビンの歌声を聴いてみたいと思いました。私が聴くと、透明感のある歌声に聴こえるのか、または力強い歌声に聴こえるのか。まるでウォンビンのステージを待つ観客の気分で、様々な想像を膨らませました。また、人気歌手となったリリの歌声も気になりました。ルゥの歌詞を、どんなメロディで歌うのか。そして聴いた人達は、どう感じるのか。色々と想像を巡らせました。

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本書の最後で、日本の桜が登場して、急に親しみを覚えるようになりました。どこか遠くの「かの国」の話から、身近な国の話に変わった瞬間でした。「失った大切な人は、残された人達の心の中で生きている」と感じました。本書から「生き抜くこと」ということは「狡猾さ、したたかさ、意志の強さ」などなどを総合的に備えていなくてはならないと痛感しました。このようなことを考えるきっかけを与えてくださった作者の小野美由紀先生には感謝致します。ありがとうございました。

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#読書の秋2021 #路地裏のウォンビン #Unext
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