『GAMERA -Rebirth-』雑感覚え書き 〜ガメラ・リバースはこれまでの怪獣作品のウルティメイト・プラズマ的集約ブローか?
※2023/9/17 改編追記
私個人が観ての独断と偏見の雑感と私見です。
思いついた順にとりあえず書き殴ってます。
※ネタバレありです。
『GAMERA -Rebirth-』、自分の好みに合う点、合わない点、どちらも当然あったが総じて面白かった。
シンゴジにせよアニゴジ三部作にせよゴジラSPにせよハリウッドゴジラにせよあとしまつにせよシン・ウルトラマンにせよ、その他数多の怪獣作品を礎にその良しも悪しもとことん咀嚼したうえで構成されてる作品だと感じている。酷評の多かったアニゴジ三部作、大怪獣のあとしまつなどの作品への反響も咀嚼・分析して取り込んでいるからこそ至った構成なのではないか。
・引っ張れるだけギリギリまで引っ張って読み通り満を持してガメラが登場し期待に応える、実際シンプルで判り易い展開。
・多くにあまり期待されていない人間ドラマパートは作画も尺も必要十分程度には満たしつつ、多くの期待に応えるべく割け得るリソースをとことん注ぎ込んだであろう作画共に力の入った充実の怪獣プロレス。
・かけられるリソースの総量が決まっている場合に、怪獣映画の視聴者が求めているものの割合は、人間ドラマ2:怪獣シーン8 だとするとCGのクオリティも、人物5:怪獣5よりも人物2でもいいから怪獣8にするほうが圧倒的に求められていて、ガメラリバースではそのように割り切って配分したのではと推察している。
とにかく期待してるものを見せろの圧にできるだけ応えるべく吟味に吟味を重ね、咀嚼しつくして、怪獣作品に何かしらの関心を寄せる人々のあらゆる期待や想いの、より多数を占めると思われる要素から順にピックアップしてある印象 → なのでこの作品に関しては、自分の期待してたものと違っていたならば、その期待は世間の主流からは離れているものとみなせるかも。
・ストーリーも演出も誤解釈される余地を極力なくした判り易さ
・昭和ガメラの要素、平成ガメラの要素、50th映像の要素も?
・ジュヴナイルは外せない…ガメラにジュヴナイル要素なんて求めていない層のほうがあきらかに少数派と思われる
・子ども(地球環境)の味方
・最優先要素はとにかく怪獣プロレス
人間ドラマ(パート)への手間ひまは求めていない。メインディッシュの怪獣パートの邪魔になるくらいなら要らないが、そう言いながら中途半端もダメ
→ストーリーは必要十分程度は押える
・声優はきっちり固める
・怪獣プロレスをより印象付けるための敢えてのCG落差かもとまで思えてきた
・リバース版ギロンのあの動きはCGアニメ版ならではこそ映えるケレン味だと思う。実写特撮だと着ぐるみでもCGでもああはならないだろう。逆にCGアニメ版では出せない実写特撮ならではのケレン味というものも当然あると思う。
・過去作へのリスペクトと、ツボを抑えたオマージュがあると評価上昇
・各話サブタイトル…他作品からのタイトル引用で統一
・ジョーの生存
・LGBT
・ボコの母親の造形
・色恋エロ下ネタへの拒否反応への配慮
キスシーンなど皆無だが、制作側も思うところが何かしらあるのか、ほんの少しのトッピング有り
・エミコの日光浴
・ブロディのジュンイチへの反応
・ジョーの透過光ゲロ(遠距離視点)
・小便関連ネタの繰り返し
・小学生レベルのギャグ(主人公たちは小学生だが?)
「ジョー」の由来
・無能な軍人、政治家が一切出てこない
・味方サイド(主人公側?)には唯唯イヤなだけのヤツを出さない
・自衛隊、米軍共に見せ場有り
・悪いやつはきっちり報いを受ける
・細かいことはどうでもいい
・ヘイト要素は小学生組に由来するように配分しつつ中和
1話の徴税関連の胸糞エピソード
2話の無謀な地下水道探索
※もしかすると、この時点で見切りをつけてしまう視聴者のふるい落としか?
他etc.etc.
あらためて、より多くの人が観たかったであろうものをよくぞこれだけ揃えてより期待に応える作品に纏め上げた作品であると思う。
観客の観たいもの期待するものが人それぞれで違いがあるからには、観た人全員の観たいもの期待するものに100%応えるなんて代物は成立し得ない。自分の勝手な推察だが、いろんな層の観客のより大勢が当作に期待してるであろう要素をより大きいものから並べて上から順に採用、相反する要素についてはより大きいほうを優先して構成したのではないかと思われる。人物CGへの不満の声は比較的多く聞くが、では怪獣パートのクオリティへのリソースをそちらに割くのと択一だとしたなら、怪獣パートが優先の声のほうが圧倒的に多いと見受けられるし、人間ドラマについては、否の評価も少なくはないが数多くポストされているのは賛の声のほうのように思う。
多数派が必ず正しいとか少数派が間違ってるとかということではなく、この作品に関する限りにおいて、より多くからの期待要素が採用・優先されているのであれば、故に不満点や採り入れられていない期待に関しては相対的に小数派だと見做せる。
絶対視はしないよう慎重に扱う必要はあるだろうが、『GAMERA -Rebirth-』は今後の怪獣作品の間違いなく一つの指針となる作品だと思っている。
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