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中小企業診断士試験合格体験記(1次試験実行編)


こんにちは。JIZO-CHANです。
今回の「しんだんがかり通信」は、私の合格体験記の「1次試験実行編」のご紹介です。

1. はじめに

この体験記では「実行編」として、具体的に行ったことを中心に記載してみました。学習を進めていくにあたり、合格のレベル感を掴むためのサンプルとして参考になればと思います。

2.私の属性

• 40代会社員。地方都市の製造業のIT部門に所属。
• 妻と園児、犬の家族構成。
• 名古屋地区受験。

3. 受験のきっかけ

勤めている会社の早期希望退職の実施で、自部署の人員が3分の2になったものの、仕事は減らない見通し。タイミングを同じくして管理職に昇格。マネジメントとしての貢献が期待される。30代が終わる年でもある。
→中小企業診断士試験にチャレンジすることで、ゼネラリストとしての力量を強化し、T型人材化を図る。
資格取得によって得られる「会社に捉われない働き方」という選択肢によって、心の安定や、時には大胆な行動に打って出ることを可能にさせる効果を狙う。
 
試験勉強を進めていくうちに、理想像は更に膨らんでいきましたが、そちらはまた別の機会に記事にしたいと思います。
 
「40歳の壁」と厄年を乗り越えるべく、チャレンジスタートです。

4. 学習開始時の知識・保有資格、得意科目・不得意科目

• ITシステム系の業務知識。
• 10年以上前に取得した簿記2級。
• 学生時代、外国語を専攻していたので語学系に強い(2次試験に有利に働く)。
• 暗記系が不得意。若かったあの頃の記憶力はどこへ?

5. 学習スタイル

• 独学、1.5年計画。2022年2次合格目標。開始が2021年4月で、一次試験までの期間が短く、学習時間の確保が難しそうだったので、期間を長めに設定しました。
• 「ひとりスクラム(アジャイル開発の一種)」で不確定要素が多い状況に対応。
スクラム開発の「プロダクトオーナー」という認定を仕事の関係で得て以来、ところどころでスクラムの要素を取り込んで活動しています。
振り返りを重視して、2週間サイクルで計画を修正するスタイルで行なっていました。勉強時間の確保や得意不得意、モチベーション維持等の不確定要素が高い状況で有利な手法です。
ポジティブ・ネガティブのバランスのとれた良い振り返りを行うことで、健全なメンタルを維持することにも繋げていました。
活動の記録として、毎朝の日記を書いていたことも重要ポイント。2週間に1度の振り返りが行いやすくなりました。

6.受験回数と学習時間

• 受験回数:1次2回、2次1回
•1次試験対策総学習時間:732時間(1回目212時間、2回目520時間)
• 平日も休日も、2H〜2.5Hをコンスタントに。
 o 朝:早起きして、犬の散歩、朝食作り等の家事の時間まで勉強。
 o 昼:直前期は昼休みに会議室で勉強。
 o 夜:子供を寝かしつけてから勉強。

7.合格までの学習 1次試験対策

同友館の『過去問完全マスター』に「(読む、書く、考える、話す力以外に)実はあと2つの隠れた能力を問われている。それは、『計画立案・実行能力』と『要点把握力』である。」と書かれていました。試験を受けてみてその通りだと思いました。
結局のところ、1次は要領よく、かつコツコツやり込むのみで、勉強をやめない工夫が肝要かと思います。習慣と時間(量は人による)が手に入れば合格できると思います。
メンタルや計画が崩れた時の軌道修正方法を持っていることも重要かもしれません(私は前述の「ひとりスクラム」の手法で軌道修正していました)。
 
1次試験はメンタルスポーツ。

7-1. 1年目(2021年4月から2021年8月)

1回目の1次の教材はスタディングのみでした。Webやセミナーなどでは何も調べていませんでいた。受験支援団体のブログでも読んでおけばよかったかと思います。
スタディングの講義視聴とスマート問題集、過去問セレクトだけ解き、年度別過去問は1回もやりませんでした。年度別過去問、やったほうがいいです。
試験直前のお盆休みまで自分用の勉強机もなかったので、リビングで寝転がりながらスマホアプリでポチポチ。4ヶ月で212時間学習しました。結果は自己採点で409点。3科目合格(企業経営79点、運営管理64点、情シス80点)でした。 不合格科目の得点は後述。
合格発表後、「もうちょっとで合格できてたのかぁ。。。」とクヨクヨしていたところ、
「しっかりとした知識でお客様にサービスするのがプロ。」
という喝を妻から入れられたのが最大の収穫だったかもしれません(コツコツ勉強神の降臨)。
 
やる気とお尻に火がつきました。

7-2 2年目(2021年9月から2022年8月)

2年目は残りの4科目(経済学、財務会計、法務、中小)。苦手科目を克服し、得点源科目に変換することが課題でした。
2021年9月から勉強仲間機能(スタディングのSNS)を使用開始しました。日課として朝勉強と日記の投稿を始めました(開始した時は、2次試験まで毎日投稿が続くとは思っていませんでした)。

7-2-1 2年目のポイント

・ 勉強仲間機能使用開始し、習慣化の軸に。
日々の記録により、日常生活との融合を図ることができ、習慣化が成功しました。そして、勉強仲間との声かけ、情報交換は有益。経営指標の覚え方から子供にご飯を食べさせる方法まで、いろいろなアドバイスをいただけました。
・ 勉強仲間同士の懇親会や、勉強仲間機能でおすすめしていただいた参考書、問題集を購入し、補強していきました。
(「スタディング・ショッピング(スタショピ)」と唱えながら、ポチる。)
・ 『まとめシート』を追加テキストとして利用し、理解度向上を図りました。
・ 『ねずちゃんの聴き流し動画』を移動中に繰り返し視聴し、記憶力の低さをカバーしていました。
・ 紙の問題集は、面倒でも正答率を集計・管理し、実力を把握していました。
・ 過去問至上主義
過去問の正答率で実力を確認していたので、スタディング、予備校の1次模試は受けませんでした。「無人島に一冊持って行くなら過去問(ほらっち先生)」は至言。
・ 前回合格した情シスを免除除外して保険にしましたが、不要でした。勉強は軽く流して済ませました。

7-2-2 経済学(1年目56点、2年目80点)

・ 2年目は得点源化を目標
・ スタディングは問題演習を利用。AI復習。年度別過去問。
・ 「石川経済学で80点取れた」というコメントを信じ、『速習!ミクロ、マクロ経済学』に取り組む。
自宅で視聴後、Youtubeプレミアムでダウンロードして、移動中に聴き流しをしていました。
・ TAC スピード問題集2周。
・ 同友館 過去問マスター3周。最終的に正答率83.6%。
直前の追い込み1.5日で1周して、試験に備える。
・ 本試験が5択になって難化したものの、80点獲得できました。

7-2-3 財務会計(1年目40点、2年目68点)

・ 2年目は得点源化を目標。2次対策としても克服必須。
・ ファイナンスが苦手だったので、スタディングの講座で復習。
・ TAC 集中特訓 財務会計計算問題集を3周。正答率76.0%。
 合格者からおすすめしていただいた教材。カブトムシ村さんを始め、勉強仲間と並走してペースを掴みました。
 4周目も行いましたが、そこではできなかった問題のみ取り組むことにしました。
・ 同友館 過去問マスターを2周。2周目正答率87.6%。
・ スタディング年度別過去問で仕上げ。難しい問題をマークして、解けるように努力。
・ 年度別過去問で90点以上取れるようになったものの、本試験では計算問題があまり出ませんでした。
 
予想外のことが起きるのが本試験。

7-2-4 法務(1年目44点、2年目56点)

・ 記憶に自信がなかったので、捨て科目。高得点化の欲を捨てる。
・ 2年目は50点狙い。
・『まとめシート』の図表が役立ちました。
・ TAC スピード問題集を基本の問題集として、数周。
・ TAC 過去問集のうちABCランク(みんなが正解している問題)のみを、できるまで繰り返した。法改正があった箇所も知ることができるので、おすすめ。
・ スタディング問題集のチェック機能を使って、過去問で正解できなかった基本問題を重点的に復習。
・ 易化したのに60点取れませんでしたが、目標点は達成しました。

7-2-5 中小(1年目46点、2年目60点)

・ 2年目は60点狙い。
・ 合格者の間で評判の良かったTBCの特訓問題集『中小企業白書』『中小企業施策』をスタショピ。
・ TAC スピード問題集をやり込む。
・ 直前期(6月以降)に取り組む。
・ ほらっちチャンネルの中小講座を繰り返し聴く。
・ 目標点達成。解答速報ではもう少し高かったのですが、公式解答で7点くらい下がっていました。

8. これから合格を目指す方へのアドバイス

合格するためのアプローチに絶対も正解もないので、何でも鵜呑みにせず自分自身の頭と責任で自分に適しているかを判断して、攻略法を構築していくことになります。そこが面白いところでもありました。
 
「1次試験はメンタルスポーツ」と書きましたが、周りの人たちの勉強時間や進捗に過度に反応すると調子が崩れることがあるので、気にしないで自分のペースを維持することが大事だと思います。
上には上がいるのが世の中です。IQが物凄く高そうな人や、凄い努力を重ねる人と自分をわざわざ比較して劣等感を抱く必要はないと思います。「変態発見!」と心の中で呟いて、遠くから眺めましょう。
 
スポーツとして、周囲の人と時々競争を楽しむのは爽快ですが、常に競争している感覚の中にいると疲れるし、普通の人は確実に病むと思います。
ストレングスファインダーの診断(おすすめです。)で、「競争性」の資質が上位にない場合は、競争をモチベーション源とすることはやめておきましょう。私は「競争性」が下から3番目(32位)なので、わざわざやらなくていい競争はしないようにしています。
  
この勉強を通して、仏教で言われる「精進」を学びました。
「精進とは、楽しみを見つけながら努力すること。 充実感を得られる活動のことである。」と、僧侶系Youtuberの大愚和尚が言っていました。
支援団体、動画、SNS等が充実した診断士受験界隈な環境は精進に適していると言えます。
1日1分、1問しかできなくても、コツコツと努力を積み重ねているだけで尊いです。
精進を続ければ、必ず道は開けると確信しております。
 
1次対策編はこれで終了です。
1次をフワッと乗り越えて、診断士試験の本丸であり、楽しい(?)2次試験対策に乗り込みましょう。
 
みなさんの合格をお祈りしています。

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