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着物の雨コートと雨草履。

雨が続いています。
土砂降りではないけど しとしと秋雨。
単衣の着物に薄物の羽織やコートが欲しくなってきました。
薄手の雨コートも重宝します。

私の娘時代(いつだ?20年前~~)
雨コートは何故か赤や臙脂ばかりでした。
今でも雨コート地は臙脂系や紫、縞やせいぜい格子が多くて
雨の日を楽しくしてくれる雨コートが欲しくなります。

雨コートには二部式と一部式がありますが
せっかくお誂えすえなら一部式を。 
着物姿がすっきりと美しく見えます。
襟の形もいろいろありますが
かっちり四角い道行衿、丸いラインが優しい印象の千代田衿。
着物の衿のような道中着衿。
道中着衿が着物をすっぽり覆い濡れる部分を少なくしてくれます。

雨コート地ではなく着尺から仕立てる場合は
防水加工をしますが 大島や黄八丈のような
つるりとした生糸の紬が向いています。
お母様の大島の着物を作り変えるのも楽しいものです。
防水加工は反物の段階ではなく
仕立てあがってからしたほうが
縫い糸もガードされ より防水効果が期待できます。

春秋の雨は気温も高く 蒸し暑いので、
いわゆる和装雨コートでは暑くてコートの中はサウナ状態。
外の雨ではなく コートの中の湿気で溺れそうです。

そんな時期にお勧めしているのが
小千谷縮 や 綿麻で 雨コートを仕立てること。
じざいやのお客様には好評で
作って良かった、とおっしゃって頂けるものベストに
120番手の麻襦袢、そして小千谷縮の羽織やコートがあります。

ガード加工をして仕立てますが ゲリラ豪雨には対応できません。
でも まぁ ゲリラ豪雨の時は どこかの屋内に避難してますよねー
濃いめの色でお仕立てすれば 結構早い時期から長めに使えますし
薄い色で作れば 軽やかで塵除けにもなります。

雨草履1-2

雨の日は足元も悩みのタネ。
まずは足袋カバーで足袋の汚れを防ぎましょう。
普段着なら雨下駄で良いですが
小紋以上なら雨草履の用意を。
鼻緒と爪皮がお揃いの雨下駄は
ポップな色柄も沢山ありますので
雨の日の足元を明るく楽しくしてくれます。
洋服よりお太鼓部分が出っぱっているので
傘はできるだけ直系の大きなものを。


雨の外出から戻ったら
玄関先でまず、着たままの雨コートを
タオルでぬぐってから脱ぎましょう。
せっかく雨コートでガードした下の着物を
コートの水滴で濡らしては
元も子もありません。
雨で濡れなくても着物はいつもより湿気を含んでいますので
体温で暖かい内に衣桁に掛けて
手で撫でつけ シワを伸ばしておきましょう。
雨下駄の爪皮も外してタオルで拭いてあげてください。
濡れた下駄に爪皮を付けたままにしておくと
ゴムの部分が傷みますので別々に乾かしてください。

雨の日の外出も怖くありませんね。

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